アブーバクル・バグダ-デイが死亡したという、確かな情報は流れていないが、彼が重傷を負って復帰できないだろう、ということはほぼ確実なようだ。
このため、あちこちから、アブーバクル・バグダーデイの後継カリフに、誰が就任するのかということが、噂され始めている。
以前に同じテーマで一度書いたが、アフリ―だけではなく、彼と競い合う何人かの人物の名前が、挙がってきている。
その後継カリフの候補者たちを並べてみよう。
:アブ―・アラーア・アフリ―
本名はアブドルラハマーン・ムスタファ・アルカードーリー。彼の首には700万ドルの懸賞金が、アメリカによってつけられている。それだけ重要な人物、ということであろう。彼は1957年から1959年の間にイラクで生まれている。
彼はイラクのモースル市の軍事責任者になっていた。2006年アブ―・ムスアブ・ザルカーウイの代理として、パキスタンを訪問している。
彼がいまだにカリフになれていないのは、彼の家系が預言者ムハンマドと、関連がないからだといわれている。しかし、彼はアブーバクル・バグダーデイが金曜礼拝の導師を務めた、モースルのザンギ・モスクで導師を務めている。
彼は自身で7月に、カリフを名乗り始め、それには彼の家系が預言者ムハンマドに、繋がるとしたためであろう。ただ少し気になるのは、ファミリー・ネームがアルカードーリーであることだ、同一か否かは判断のしようがないが、著名なイラクのユダヤ人のファミリー・ネームには、カッドウリ-というのがある。この二つのファミリー・ネームに関連がなければ問題は無いのだが。
:アブー・ムハンマド・アルアドナーニ―
アレッポに近いシリアの村生まれの、38歳で十分な戦闘経験を有している人物。彼は6月にカリフ宣言をしている。彼は録音テープを何本も流している。
そのなかには、西側諸国で一匹狼のテロ行動を起こせ、と呼びかけているものもある。たとえば北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどでのテロだ。そのため彼には、500万ドルの懸賞金がアメリカによって、かけられている。
彼はイラクの刑務所に2005年から2010年まで投獄されていた。
:アブー・アリー・アルアンバーリー
イラクのニネベ県で生まれた、元サダム政権下の情報将校で、現在はIS(ISIL)の治安委員会のトップに就任している。
彼がサダム体制の幹部であったという汚点があるために、カリフに就任する可能性は低く、キングメーカーに留まる方が、いいのではないかと言われている。
:ターリク・アルハズリー
チュニジア出身でIS(ISIL)結成当初からの戦闘員だった。彼はナイジェリア、リビア、エジプトなどにIS(ISIL)細胞を、創り上げた人物とも言われている。
彼はまた,リビアから大量の武器を搬出した人物でもある。彼は2013年にIS(ISIL)がアブー・グレイブ刑務所を、襲撃した際に脱獄している。
また、彼の弟がリビアのアメリカ領事殺害事件に、関与していたということのようだ。このため彼の首には、300万ドルの懸賞金が、アメリカによってかけられている。
これらの4人の人物の誰かが、アブーバクル・バグダーデイの後継カリフになるのだろうが、最も有力視されているのは、アブー・アラーア・アフリ―のようだ。