サウジアラビアがアラブ諸国に呼びかけて結成した、サウジ合同軍(アラブ合同軍)にはモロッコ、エジプト、アラブ湾岸王制諸国、スーダンなどが参加しているが、これまでの空爆に加え、陸上部隊をイエメンに派兵するのか、ということが注目の的になっていた。
それは述べるまでも無く、空爆だけでは決定的な勝利には至らないからだ。しかし、山岳地帯のイエメンに、陸上部隊を派兵するということは、相当なリスクを覚悟しなければなるまい。1962年のイエメン戦争に、エジプトのナセル大統領が陸上部隊を派兵し、彼ですら惨憺たる敗北を、こうむっているのだ。
今回はどうであろうか。実はアデンの空港をめぐる攻防戦に、サウジアラビア合同軍は小規模な陸上部隊を、派兵したと伝えられている。それによれば、サウジアラビアとアラブ主張国連邦の、イエメン出身兵士が参加した、ということのようだ。
このサウジ合同軍は日曜日に、アデンに到着している。このことについて、アハマド・アシーリー将軍は陸上部隊を派兵してはいない、とサウジアラビアのアル・アフバーリーヤ新聞に答えているが、カタールのアルジャズイーラ・テレビに対しては、全ての選択支が開かれている、と答えている。
現段階では30人程度の兵士が、サウジ合同軍のイエメン支援部隊として、アデンに入ったようだが、これは、サウジアラビアやアラブ首長国連邦に居住する、イエメン・オリジンの人たちが結成した、支援部隊なのかもしれない、もちろん、彼らがイエメンに入ることは、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の、政府の許可が必要であることは、述べるまでも無い。
この支援部隊の兵士は、イエメンの民族衣装をまとってはいるが。武器装備は最新のものだ、ということのようだ。サウジアラビア政府もアラブ首長国政府も、おっかなびっくりで、少しだけ手を出し始めたのかもしれない。そして、失敗に終われば、イエメン人が勝手に動いた、と主張するだろう。
アラブ最大の軍事大国であるエジプトは、このサウジ合同軍に加わってはいるが、現段階では海上からの支援だけで、イエメン派兵の陸上部隊には投入されていないようだ。正解であろう。