イランのザリーフ外相は、ニューヨーク大学で講演し、イランに対する経済制裁が、数日以内に解除されるだろうと語った。
しかし、アメリカ政府はこの発言に対して、まだ数か月はかかる、とコメントしている。
イランと西側諸国との交渉期限は、6月30日となっているが、ザリーフ外相の発言は、その前の西側諸国の反応を見るための、アドバルーンとしての、発言であろう。
アメリカがコメントしているように、いまだにイランの核問題をめぐり、交渉は結論を見ていないわけであり、数日以内に経済制裁が解除される、ということは到底ありえないからだ。
ただ、見逃すわけにはいかないのは、イランに対する経済制裁の解除が、近いと考えるヨーロッパ諸からは、要人がイランを訪問していることも事実だ。ヨーロッパの各国は今のうちから、イランに唾をつけておいた方が、解除後の進出に有利になる、と考えてのことであろう。
アメリカにしてみれば、イランが必要とする航空機や大型機械などは、経済制裁が解除されれば、結果的にアメリカから購入する、と踏んでいるのであろう。つまり、ヨーロッパが進めているような、事前の工作の必要はない、ということであろうか。
振り返って、日本はどうであろうか。結果的に日本の場合も、品質の高い製品を抱えていることや、過去の大型プラントの建設などで、実績があるから黙っていても、仕事が転がり込んでくる、と考えているのであろうか。
そうあって欲しいとは思うのだが、先になってみないと何とも言えまい。