タジキスタンの特殊部隊司令官が、IS(ISIL)に参加したと宣言した。それはシリアから伝えられた映像で、明らかになったのが、彼は黒の帽子をかむり機関銃を持った写真を公表している。
その人物の名前はグルムロド・カリモフで、タジキスタンの特殊部隊にあっては抜群の人気を誇っていいた人物であり、4月に彼が不明になって以来、どのようにしてシリアに渡り、素早く参戦できたのか、疑問になっている。
彼はタジキスタンの特殊部隊で、抜群の能力を発揮し、治安維持を図っていたということだ。その彼が『タジキスタンに斬首人を連れて行く。』と宣言したのだ。彼はまたタジキスタン人が、ロシアで過酷な労働条件下に置かれていることについても触れている。
このグルムロド・カリモフのネット上のメッセージは、政府によって即座に閉鎖され、タジキスタンでは現在、見ることができなくなっている。
問題は、彼グルムロド・カリモフは特殊部隊のなかで、抜群の人望があることに加え、彼が創り上げた対テロ機構が、優れている点だ。したがって、グルムロド・カリモフがその逆の組織を創り上げたときには、タジキスタン政府は、対応に相当苦しむのではないのか。
グルムロド・カリモフはタジキスタンの治安部隊が、どのような編成でありどの程度人数であり、どの程度の武装をしているかなど、全てを把握していよう。またロシア政府がタジキスタン政府を、どの程度支援しているかについても、詳細に把握していよう。
シリアやイラクのIS(ISIL)には、中央アジアから200~500人が戦闘員として参加している、と伝えられており、中央アジア人が結成した組織も存在する。例えば、イマーム・ブハーリージャマーアや、サブリー・ジャマーアなどがそれだ。
これらの中央アジア人が結成した組織は、コバネの戦闘や、アレッポの戦い、パルミラの戦闘にも加わっていたようだ。こうなると、彼らがタジキスタンに移動して、国内の同志を集めて、大規模な戦闘集団を結成することも、難しくはあるまい。
同時に、この動きはロシアもターゲットとしている、と考えるべきであろう。以前から指摘してきたように、サウジアラビアやロシアは、IS(ISIL)にとって次の攻撃目標に、なっているのだから。