資金難に陥っているIS(ISIL)が、必死の攻撃を繰り返しているようだ.サラフデーン県のバイジ製油所をめぐる攻防で、完全にIS(ISIL)は優位に立っているようだ。
このバイジ製油所を守る特殊部隊と警察軍は、IS(ISIL)によって包囲され、武器弾薬はもとより、食糧にも事欠く状態に陥っている、と現地の将校が携帯電話で伝えた。
バイジ製油所は現在、四方からIS(ISIL)によって囲まれ、その施設の3分の2が、IS(ISIL)の支配下にある、ということのようだ。バイジ製油所を固める特殊部隊や警察軍事は、外部でIS(ISIL)が手当たり次第に行っている、殺戮の声が聞こえてくるため、将校らは最後の一発の弾丸は、自殺用に取ってあるということだ。
このバイジ製油所は、175000バーレルの製油能力を持ち、イラクの国内消費の3分の1をカバーできていた。このため製油所の周りには、原油タンクや製品のタンクもあり、空爆することは出来ない。これらのガス、原油、石油タンクはIS(ISIL)のコントロール下にあるからだ。
このバイジ製油所などは、4月の段階でイラク軍側が、支配できたのだが、その後、IS(ISIL)側が猛攻を繰り返し、現状に至っている。製油所を支配することは、IS(ISIL)側にとって、戦費を確保することに繋がり、戦闘員の給与や食糧、武器弾薬の確保も出来るだけに、死活問題であろう。
IS(ISIL)がこの戦闘で勝利できれば、バイジの石油製品は密輸され、再度戦費を確保することが出来よう。しかし、IS(ISIL)がそれに失敗すれば、戦闘員は給与の支払いが停止したままとなり、次第にIS(ISIL)から、離れていくことになろう。