日本の人たちはゴールデン・ウイークを、楽しんでいるのだが、そんな光景は世界全体で見ると、ごく一部であり、そのごく一部の国でも、また、ごく一部の人たちだけなのかもしれない。
イラクからはなんとも悲惨な情報が、伝わってきている。ヤズデイの人たちがIS(ISIL)によって、テル・アファル地区で300人も殺害されたというのだ。ヤズデイの人たちが何故殺害されたのかといえば、納得がいくような何の理由も無い。あえて言えば、彼らがイスラム教のスンニー派教徒ではない、マイノリテイのヤズデイだ、という一言に尽きよう。
それだけのために、多くのヤズデイ人が、IS(ISIL)によって人質に取られ、若い女性は姓の奴隷とされ、中高年の女性は奴隷として使われ、また売られてしていた。男たちは重労働でも、させられていたのであろう。
それと数百人釈放される、というニュースが大分前に、伝わったことがあるが、釈放された理由は、老人であることや病人であること、身体障害者であることなどが原因だったようだ。つまり、IS(ISIL)Nにしてみれば、抱え込んでおくことが、面倒になったからに、過ぎないのではないのか。
今回300人が殺害された、というニュースを伝えた、BBCのジャーナリストは、何故彼らが殺されたのか、分からないと語っているが、理由は簡単であろう。ヤズデイ人を抱えておくことが、負担になったからであろう。
ヤズデイ人の多くはイラクのニネベ県の、シンジャル地区で人質に取られたが、しばらくすると、数百人の男性が殺害された、というニュースが伝わってきていた。
イラク軍が攻勢に出て、相当のIS(ISIL)支配下にあった地域が、解放されてはいるが、未だに広い地域を、IS(ISIL)は抑えているし、そこではヤズデイ人たちが、あいも変わらずひどい目にあっているのだ。
大分前から、IS(ISIL)が弱体化してきていることを伝えしたし、イラク・シリアでの役割を終えたという、私の判断をお伝えしてきた。しかし、IS(ISIL)のイラク・シリアに展開している人数も、少数ではないので、次の作戦地域に即移動が出来る、というわけにはいくまい。
IS(ISIL)のメンバーのなかには、自分たちが支配している地域から、離れたくない者もいよう。彼らの一部は家族同伴で、戦闘に参加している、ということもあるのだから。
一部の組織によって結成されたIS(ISIL)の、宣伝文句にのって『理想のイスラム国家』を目指して集まった、世界のイスラム原理主義者たちや、出稼ぎ者たちは、いま何処へ行ったらいいのか、分からなくなっているのではないのか。