『サウジアラビアがテロのターゲット警戒強化』

2015年4月21日

 

 サウジアラビアの内務省は、大型ショッピング・モールや石油関連施設が、テロのターゲットになると予測し、警戒を強化した。サウジアラビアの石油企業アラムコも、このテロの攻撃対象になっている可能性が、高いと内務省は見ている。

 最近では、サウジアラビアに対し、アルカーイダに加えIS(ISIL)の攻撃が、懸念されている。そのことに加え、イエメン内戦へのサウジアラビアの軍事介入は、ホウシ派のテロも警戒しなければなるまい。

 ホウシ派との戦いでは、国境警備兵がすでに、9人犠牲になっている。また、リヤド市では2か所で、テロリストが警官を襲撃し、2人が死亡し2人が負傷してもいる。つまり、サウジアラビア国内では、現在テロによる攻撃は、現実のものとなっているのだ。

先週の土曜日には、ショッピング・モールに入ろうとした若い男性が、警備員によって阻止されている。不審な行動が見られたのであろう。

こうしたテロ攻撃は2006年にも起こり、テロの対象になったのはアブカイク製油所だったが、警備側がテロを阻止している。このアブカイク製油所は、サウジアラビア全体の70パーセントの、精油を行っているということであり、テロ攻撃が成功していた場合、その被害は甚大であったと思われる。

サウジアラビアがテロリストの攻撃対象になることを、アメリカも強く懸念しており、アメリカ政府は4万人の警備兵を、サウジアラビアに派遣している。サウジアラビアのエネルギー部門に対する、テロ攻撃が成功することになれば、アメリカも相当のダメージを受けるということだ。

しかし、アメリカ政府が4万人の警備陣を、サウジアラビアに送っても、テロリストの活動が活発化している、昨今のような状況下では、完全にテロ攻撃を阻止することは出来まい。そのことを考えると、『石油は金さえ出せば無尽蔵に日本に送られてくる。』という考えは捨てなければなるまい。