ヨルダンの新聞社が、軒並みに倒産の危機に、直面している。述べるまでもなく、紙媒体から映像電波の時代に、ニュースの伝達方式が、変わっているからだ。そのため購読者が激減し、新聞社は成り立ち難くなっているのだ。
ヨルダン国営のアッラーィ紙や、アッドストール紙も例外ではない。特にこの二紙が厳しい状況にあるようだ。民間の新聞であれば、内容を読者の好みに合わせることが出来ようが、官営の新聞社はそうも行かないし、記事内容にも政府の意向が影響するだろう。
ヨルダンの国営新聞社では、アッドストール紙の場合、420人の職員に対する給与の支払いが、4ヶ月も滞っている状態にある。政府が新聞社に対する税金の軽減、あるいは課税を撤廃すれば、少しは改善するかもしれないが、そうなっていないようだ。
アッドストール紙が現在抱える借金は、1000万ドルに達している。アッラーィ紙も似たようなものであろう。ちなみにアッラーィ紙は、30パーセントのシェアを、ヨルダン国内で握っているのだが。
新聞社のスタッフたちは、この資金難について、政府の課税もあるが、幹部の運営に問題があると語っている。幹部の汚職までもが、非難の対象になってきている。こうしたことから、政府が新聞社の危機問題に介入し、問題の解決を図らなければ、ヨルダンの新聞は倒産の危機に、直面しているということだ。
新聞は基本的にはいずれの国においても、政府の支援と企業からの広告収入、そして新聞の販売によって成り立っている。ヨルダンもその例外ではないが、企業は昨今の経済苦で厳しいだろうし、政府も資金難に直面している。
他方、前述したように、今ではモバイルが広く普及しており、ニュースは新聞を買わなくても読めるし、テレビはニュースと共には映像を送ることから、臨場感があり、新聞は既に時代遅れにもなっているのであろう。