トルコの統一選挙は、6月7日に迫っているが、選挙の結果はどうなるのであろうか。今度の選挙で400議席状を確保して、議院内閣制から大統領制にする、とエルドアン大統領は豪語しているが、果たしてその通りになるのであろうか。一説には、400議席どころか、300議席も割り込むのではないか、とさえ言われているのだ。
最近の世論調査によれば、AKPに対する支持は、40パーセントを切っているということだ。これは大きな後退であろう。2011年の選挙時には、49・85パーセントの支持を、AKPは集めていたのだから。
今度の選挙では、AKPに投票すると答えた人の割合は、39・2パーセント野党第一党のCHPに投票する、と答えた人の割合は、28・1パーセント、MHPに投票すると答えた人の割合は、16・9パーセントとなっている。
これ以外には、クルド人の政党であるHDPに投票する人の割合は、10パーセントとなっているが、これは問題であろう。AKPはこれまで、クルド人の票を取り込んでいたし、今度の選挙でも期待していたはずだからだ。
エルドアン大統領はクルド人の票を取り込むために、幾つもの秘密の約束をしてきていたが、その効果が全く無かった、ということであろう。クルド人はトルコ国内の人口が少なくないとし、もっと多くの議員を送り込む権利がある、と考えている。そうなると、今度の選挙ではクルド人の票は、クルドの政党にほとんどが向かう、と考えるべきであろう。
こうしたAKPの後退の裏には、トルコ国民のAKPに対する、厳しい評価があるからであろう。『AKPの政策に満足か?』という質問に対して、70・9パーセントの国民が反対だ、と答えている。また『AKPは失政をしたのか』という質問に対しては、トルコ国民全体の73・7パーセントが失政をした、と答えており、それはAKPの党員からも厳しく、68パーセントはAKPの失政を認めている。
今後のトルコについて、国民の68・4パーセントが、悪くなっていくだろう、と考えている。エルドアン大統領はこの厳しい現実を前に、弾圧、停電、投票用紙の大量印刷などで、切り抜けるつもりなのであろうか。