『アルンチ副首相エルドアンに怒り』

2015年3月22日

 

 以前からブレント・アルンチ副首相は、エルドアン大統領に対し不満を抱いていた。彼は『私はAKP党設立時の幹部メンバーだった、従ってものを言う権利がある。』といった内容でエルドアン大統領の横暴振りに対し、非難の発言をしていた。

 6月に選挙を控えたいま、ブレント・アルンチ副首相はエルドアン大統領の選挙対策を意識した、PKK(クルド労働党)との秘密交渉に腹を立てた。それはエルドアン大統領とは別に、クルド問題の解決に向け、ダウトール首相が努力しているからだ。

 ダウトール首相はクルド問題の解決に向け、トルコ国民も進展状況が分かるように、クルド問題の平和に向けた解決へのモニタリング委員会を結成する考えを発表したが、エルドアン大統領によって潰されている。エルドアン大統領とオジャラン議長の間では、10項目の合意が、秘密裏に交わされているようだ。

 ブレント・アルンチ副首相の語るところによれば、相手側のトップであるPKKのオジャラン議長は『エルドアン大統領は全てを知っているし、秘密裏に話を進めているので邪魔をしないでくれ。』といった発言をしたとい言うのだ。

 しかも、オジャラン議長は『ダウトール首相は国内問題だけを担当すればいい。』とも語ったということだ。これではダウトール首相の立場は、無くなるだろう。

 ブレント・アルンチ副首相は『本来であれば首相が全てを担当し、大統領は首相から報告を受ける立場であるはずだ。』と語り、最近のエルドアン大統領の突出振りを非難している。

 その具体的な例を挙げるとフェダン・ハカン情報長官が辞任し、AKPから国会議員に立候補したいと言ったとき、ダウトール首相はそれを受け入れたが、エルドアン大統領が無理やり、情報長官職に戻るようにした。

 これでダウトール首相とブレント・アルンチ副首相が、同じ側に立っていることが明らかになったわけであり、彼らはエルドアン大統領に対し、批判的な立場にあるということだ。

 加えて、エルドアン大統領に非常に近い人物と見られている、ヤルチュン・アクドアン副首相も『モニタリング委員会は5~6人のメンバーで結成されるべきであり、それは間も無く設置されるだろう。』と語っている。

そのことはエルドアン大統領の意向とは異なるわけであり、この副首相もダウトール・ブレント・アルンチ側に加わる意向がある、ということかもしれない。そうなれば、エルドアン大統領は完全に、裸の王様になるということだ。