中国のここ数年来の世界での活動には、目を見張るものがある。あと数年もすれば、中国はGDPでアメリカを抜き、世界一になるという予測が出ているほどだ。しかし、そのことは各国で不安も、呼び起こしているようだ。
レバノンからは、中国製のタオル500キロを輸入したところ、高い放射能を発しており、問題になっている。中国製品に対する信頼が、これで落ちるかもしれない。そうは言っても、安い中国製品は途上国の市場では、売れるのであろう。
それ以外にも中国に対する不安が、アフリカ諸国の間で広がっているようだ。中国政府は25000人の軍人を、アフリカ諸国に派兵して、その地域の治安協力、平和維持に参加しているというのだが、そう好意的にばかり受け止められているとは限らない。
既にジブチには中国軍の基地が出来ている。それは紅海の出口であるバーブルマンデブ海峡を、中国が支配することが出来るということであろう。
そして、その他のアフリカの国でも、同様の動きがあるのだ。中国が力を入れているアフリカ諸国は、押しなべて地下資源の豊富な国だ。
北アフリカのアルジェリアやリビア、スーダンは石油とガスを狙ってのものであることは、疑う余地も無かろう。アフリカには世界全体の、10パーセントの石油が、埋蔵されているのだ。
それ以外には金、銀、チタンなど貴重鉱物資源がアフリカには豊富に埋蔵されている。その開発に中国は協力すると言って、進出しているのだ。
こうした中国の動きは、同国の巨額の援助で強引に進められている。中国のアフリカ諸国への援助は、既に200億ドルに達しており、通商額は1500億ドルに上っているということだ。この額は中国の対外取引の、10パーセントに達している。
アルジェリアは元フランスの植民地であったことから、これまでフランスとの貿易が、大きな位置を占めていたのだが、最近では中国が取って代わり、トップの位置を占めている。現在の通商額は80億ドルだが毎年10億ドル増加しているということだ。
このニュースはアルハヤートが伝えたものだが、中国に対する警戒心と賞賛の両方がにじみ出ている。アラブ諸国は躍進する中国と、どう関係を進めていけばいいのかを、模索しているのかもしれない。