イランの最高指導者ハメネイ師の健康に、重大な問題が発生しているようだ。彼は75歳とイランでは、高齢に達した年齢、とみなされているようだ。一説によれば彼は現在、内臓が拒絶反応を起こし、食事を全く受け付けられなく、なっているということだ。
しばらく前にも、ハメネイ師の健康上の問題が伝えられ、犬猿の仲であったアハマド・ネジャド元大統領の、見舞いを受け入れたとして、終わりが近いのではないか、という憶測が流れていた。
しかし、ハメネイ師は何とかその後持ちこたえ、今日に到るのだが、どうやら、今回は本当に危険水域に入ったのかもしれない。そうなると,ハメネイ師の後継者に誰がなるのか,ということが話題になる。
いま,イランでその後継者候補として,名前が挙がっている人物は、これまでトップの座にいた人たちではなく、二番手のイスラム法学者のようだ。彼の名はアヤトラ・ムハンマド・ヤズデイ師だ。
アヤトラ・ムハンマド・ヤズデイ師はイランの宗教専門家会議の、議長に立候補し、ラフサンジャニ師に敗北している。その時の選挙で、ラフサンジャニ氏が得た得票数は、投票総数73票のうちの47票だった。
今回の場合はラフサンジャニ師の立候補がない模様で、もう一人の対抗馬として、アヤトラ・マハムード・シャフボウデイ師の名前が挙がったが、彼も立候補しない旨を発表している。
そうなると俄然、アヤトラ・ムハンマド・ヤズデイ師が宗教最高会議の議長に、就任する可能性が高くなったということだし、場合によっては、ハメネイ師の後継者になる可能性も、出てきているということだ。
そこで問題は、アヤトラ・ムハンマド・ヤズデイ師がどのような考えを、持った人物なのかということだ。イランから伝わってくる情報によれば、彼は極めて厳格であり、強硬な考えをする人物のようだ。
そうなると、せっかく雪解けムードにあるイランとアメリカは、再度冬の時代を迎えるかもしれない。しかし、今回は国民が強硬な対応をするリーダーを、もう支持しないのではないかと思われる