シオニストというのは、イスラエル建国の基礎になった組織だが、いまこのシオニスト連合が、イスラエルの最終的な国境について、考えをまとめたようだ。
シオニスト連合の発表したところによれば、もし、ヘルツオグ氏が首相になれば、イスラエルは最終的な国境を、画定するということだ。
これはクネセト(イスラエル議会)のメンバーである、ナチュマン・シャイ氏によって明かされたものだ。彼によれば、イスラエルは将来民主的で、国際的に支援されるものになるということだ。
そのイスラエル国家は、ナチュマン・シャイ氏によれば、アラブ・イスラエル闘争を終わらせ、穏健アラブ諸国に支持されるものになるべきだということだ。
具体的には以下のような点をナチュマン・シャイ氏は指摘している。
:パレスチナ国家は非武装とする。
:ヨルダン川西岸の入植地はイスラエルの統治下におかれる。
:エルサレムの立場は強化され、イスラエルの永遠の首都とする。
:宗教的自由を保障し、聖地への立ち入りを認める。
:パレスチナ難民問題はパレスチナ国家の設立で吸収する。
:ユダヤ人のアラブ諸国からの帰還を認める。
:入植地以外の入植を止める。それは国際的なイスラエルの存在を認めさせることに繋がり、イスラエルの国際的な孤立を避ける。
さてこの新国境画定へのアイデアだが、パレスチナ側はどう判断するであろうか。
:ヨルダン川西岸の入植地は非合法であり、国境は1967年戦争以前とする。
:エルサレムはパレスチナとイスラエルが二分され、東エルサレムはパレスチナの首都となる。
:聖地への立ち入りは個々の聖地への立ち入りであり、それ以外は認められない。
:パレスチナ難民は現在のイスラエルに、帰還する権利がある。
:ユダヤ人のアラブからの帰還は認めるものの、それがパレスチナの犠牲によるものであってはならない(ヨルダン川西岸地区の入植地増加)。
:入植地は非合法であり、現状維持につながる入植の凍結は意味がない。
:国際的にイスラエルが認められることはありえない、イスラエルの非人道的なパレスチナへの攻撃や、入植の拡大は受け入れられない。
つまり、シオニストの主張はパレスチナ側にしてみれば、妥協に結び付かないということであろう。