トルコの法律専門家の間で、エルドアン大統領をいつ逮捕できるかが、話題になり話し合われている。反エルドアン派にすれば、一日でも早い逮捕を望むところであろうが、大統領不逮捕特権があり、そうもいかないようだ。
そこで専門家諸氏が話し合っているのは、大統領の期限が切れた瞬間に、逮捕するということのようだ。もちろん、エルドアン大統領は任期が来ても、次の任期に向かって動こうから、彼を逮捕するということは、まさに時間との戦いになろう。
いずれにしろ、エルドアン大統領を逮捕したい側の人たちは、エルドアン大統領がこれまでやってきた、数々の犯罪行為を列挙している。それがマスコミを通じて流されるということは、少なからぬダメージをエルドアン大統領に、与えるボディ・ブローとなろう。
6月には選挙が控えており、エルドアン大統領はこの選挙で、明確な勝利を勝ち得、トルコを大統領制の国家にすると息巻いている。彼が考えているようになるのか、あるいは今後トルコの経済が悪化し、エルドアン大統領のスキャンダルが国民に知られるようになれば、必ずしも彼の思惑通りにはいくまい。
一番怖いのは、エルドアン大統領がせしめた賄賂の額が、巨額であることがだんだん明らかになってきているが、景気の後退のなかで庶民がそのことに、本気で腹を立て始めると、ブレーキは効かなくなるだろう。景気がいい時はお互い様という、悪の報酬の分配を庶民は喜んでも、それが動かなくなったときは、大きく取っている人に対して、怒りが爆発するのが常だ。
反エルドアン派の人たちは、大統領の行った犯罪を、次のように列挙している。それはマスコミで伝えられているわけであり、識字能力のあるトルコ国民は、誰でも知ることが出来るのだ。
:バンク・アシアは倒産した、というエルドアン大統領の嘘発言。
:14歳の少年が催涙弾で死亡すると、彼はテロリスト組織に雇われていた、というエルドアン大統領の嘘発言。
:ギュレン運動は不法な活動をしている、マネーロンダリングをしている、というエルドアン大統領の嘘発言。
:ギュレン・ムーブメントのアフリカ在住教員は、CIAのエージェントだ、というエルドアン大統領の嘘発言。
:他者の権利の無視と逮捕。
これらのことに加え、もちろんエルドアン大統領の汚職もあげられよう、それがメインであることに、違いはあるまい。