エルドアン大統領が2月28日から3月2日まで、つまり、丸3日間サウジアラビアを訪問することが発表された。この忙しい中で、近隣国を訪問するために、エルドアン大統領領が、3日間も国を開けるということは、その裏には何かがあるのではないか、と勘繰りたくなる。
訪問目的は地域問題や、両国間の戦略協力について話し合うことだ、とされているが果たしてそうであろうか。トルコの新聞もやはりこの訪問には、発表されていない何かがある、と考えたのであろう。
そこで出てきたのが、サウジアラビアの首都リヤド市にトルコのエルドアン大統領と、エジプトのシーシ大統領が集まり、サウジアラビア国王と三者で話し合いが持たれ、トルコとエジプトの和解ではないかということだ。
しかし、この推測を掲げた新聞は、エルドアン大統領とシーシ大統領が、現時点で和解に向けた話し合いをすることは、無いだろうともコメントしている。
そうであるとすれば、次の可能性はエルドアン大統領が、難病を治療するために、リヤド市に留まるのではないかというのが私の推測だ。以前イエメンのアリー・サーレハ大統領が革命闘争のなかで大火傷を負い、リヤドの病院で長期療養を行い、回復した経緯があるからだ。
サウジアラビアは持てる資金に糸目をつけず、世界でも最高レベルの病院を、運営しているのではないかということだ。もしそうであるとすれば、エルドアン大統領の病状は、相当に悪化しているのではなかろうか。
その病気のために、エルドアン大統領は短気になり、感情が爆発することが多いようだ。トルコはそのために、多くの国内外問題を抱えるに至っている。
最近、トルコのメトロポール・インステチュートが行った世論調査によれば、トルコ国民の54・6パーセントが、トルコは悪い方向に向かっている、と考えているということだ。これに対し、トルコは正しい方向に見向かっている、と答えたのは33パーセント、分らないが12・1パーセントだった。2013年の同様の調査では、49・2パーセントのトルコ国民が政府の政策は正しい、と答えていた。これに対しトルコ政府は悪い方向に向かっている、と答えたのは38・8パーセント、分らないという回答が12パーセントだった。
今年の6月7日には統一地方選挙が実施されるが、与党AKPへの支持はあるいはこの世論調査の数字に、近いものになるかもしれない。というのは前回の選挙では確か49・85パーセントを集めていたからだ。今回の世論調査の結果に近い支持が選挙で示された場合、与党AKPは勝利できるのだろうか。