トルコの首都アンカラのケマル・アタチュルク公園の、土地までも使って建設されたAKサライは、エルドアン大統領が本来の使用者になる予定であった、ダウトール首相から奪って、自分の公邸にした建物だ。
この建物はケマル・アタチュルク公園の土地も含む、30万平方キロメートルの土地に建てられたが、どれだけの資金を費やされたのかは、いまだに公表されていない。部外者がこの公邸には1000室あると非難すると、エルドアン大統領はそれを1150室だ、と豪語して訂正している。
地下室を含めると5000室あるとも言われているが、それも不明だ。建設費が
6・15億ドルかかったといわれているが、それも不確かなものだ。
しかし、実際に使用されるようになると、幾つかの動かない正確な数字が、明らかになってきた。たとえばこの公邸が一か月に使用する電力量は、昨年12月18日から今年1月21日迄では、89・262キロワットとなっている。
この電力消費量は、普通の家庭が一か月に使用する電力量を、250キロワットとして、357戸分に相当するものであり、電気料金は110万トルコ・リラ(1トルコ・リラ=50円)ということだ。
もう一つ明らかになったのは、大統領公邸で使用する皿の値段だ。この皿は金のメッキがなされたものであり、1枚500ドルするものだそうだ。その金額はトルコの最低賃金よりも高いということだ。
この豪華なデナー用の皿を使って、最初にデナー・パーテイを開いたのは、エルドアン大統領の妻エミネ女史であった。
エルドアン大統領は『私が国家であり私がスルタンだ』と豪語したが、まさに彼はいまオスマン帝国が復活し、その皇帝に納まったつもりでいるのであろう。だから彼の取り巻きが彼に関する、外国要人からの評価が芳しくないと言っても『それは彼らのやきもちだ。』と一笑に付してしまうのであろう。
そのネオ・オスマン帝国の皇帝は、何時までその座に留まれるのであろうか。彼以外の首相も副首相も閣僚たちも、皇帝の前では一使用人に過ぎないようだ。
トルコでは政変が起きるのか、あるは彼自身の健康上の問題が悪化するのか。あまり長くは無いと思えるのだが。