トルコでは今年の6月に、地方選挙が行われるが、その選挙に情報長官のフェダン・ハカン氏が、現職を離れて立候補することが、ほぼ確実視されている。それは、彼が次に就任するであろう地位が、いまよりも高くなる、ということであろう。
そうした推測は、私以上にトルコのジャーナリストや、評論家が考えている。彼らの意見によれば、フェダン・ハカン氏は多分、外務大臣に就任するのではないか、という説を採る人たちと、そうではなく、エルドアン大統領は現職のダウトール首相を退けて、フェダン・ハカン氏を、首相に就任させるつもりなのだろう、という説が流れている。
それでは、このフェダン・ハカン氏は、どのような人物なのであろうか。彼がエルドアン大統領の信頼を、得ていることは確実であろう。フェダン・ハカン氏は情報長官の職にあって、過去に2度トルコ人がIS(ISIL)によって、人質に取られた問題を解決している。
イランとトルコとの関係でも、彼は抜群の信頼を、トルコとイランとの間に構築し、両国の関係強化に貢献していると言われている。トルコとイランとの関係では、トルコの要人たちがイラン人ビジネスマンから、賄賂を受け取ったことで国内的に、大きな問題となっているが、それもフェダン・ハカン氏が何とかコントロール出来ているのだ。
そして、このフェダン・ハカン氏はイスラエルやアメリカとの、裏側での関係も強いといわれている。つまり、外務大臣ではないがフェダン・ハカン氏は、それ以上の仕事を、してきているということだ。
しかも、フェダン・ハカン氏はダウトール首相に比べ、相当タフな人物のようだ。難しい交渉を裏できちんとトルコに有利な形で、決めてきているということであろう。
それに比べ、学者上がりのダウトール首相は腰が弱く、エルドアン大統領に対してほとんど自説を述べることが、出来ないでいるようだ。つまり、ダウトール首相は完全にエルドアン大統領の、操り人形と化しているということだ。これではトルコ国民の支持を得ることはできまい。
もし、ダウトール氏が首相職を解任された後、どの様なポジションをあてがわれるか興味が沸く。前大統領のギュル氏は、与党からも外され、特別な役職も与えられず、使い捨てのような対応を受けている。ダウトール氏はもっとひどい結末を、迎えるかもしれない。