『やはり敗色濃いIS(ISIL) 』

2015年2月10日

 

 一時期の勢いは嘘のように消え去り、最近ではIS(ISIL)の撤退が、シリアやイラクの各地から聞こえてくる。クルドのペシュメルガ軍などは、コバネの奪還に成功したばかりではなく、同市の周辺の村落も、100以上解放したと語っている。

 それはどうやら本当のようだ。シリア北部の主要な都市である、アレッポからもIS(ISIL))は、撤退しているようだ。

 アレッポの住民などから集められた情報や、反IS(ISIL)の軍事組織からの情報によれは、IS(ISIL)は主要な部隊をアレッポから撤退させ、兵器も引き上げたようだ。なかでも、ヨーロッパ人戦闘員は、この街から引き上げたということだ。

 このことについて、実はIS(ISIL)はアレッポから戦闘員を引き上げて、再度コバネに挑戦するのだという説と、イラクのモースルでの戦いに備えるためだ、という説がある。

 IS(ISIL)があまり有利な戦闘を、展開できなくなったのは、アメリカ軍を始めとする、有志連合各国の空爆によるようだ。シリアでもイラクでも、空爆によって殺されたIS(ISIL)の戦闘員の数は、相当なもののようだ。

 加えて、空爆によってIS(ISIL)の幹部の死亡が、多く確認されるようになってきている。そのことはIS(ISIL)内部に、スパイがもぐりこんでおり、IS(ISIL)の幹部の動向を、アメリカを始めとする有志連合に、伝えているからではないのか。

 いずれにしろ、IS(ISIL)が最近不利になっていることは、確実であろう。もちろんだからといって、今日明日にIS(ISIL)が敗北し、シリアからもイラクからも、敗走するとは言わないが。