私の理解では、IS(ISIL)がイラクとシリアの任務を終えて、次はリビアで活動を展開するだろう、と思っていた。イラクでの役割は、マリキー首相を追い出すことであり、シリアでの役割は、同国を南北に二分することだ。もっと詳しく説明すれば、出来ることならシリアをアラウイ派の地域も設定し、分離させて3分割することだ。
そのIS(ISIL)の役割はほぼ終わり、これから数ヶ月の間に、IS(ISIL)は多分リビアに行くだろう、という予測をしている。そのために、IS(ISIL)はいまトルコともう一つの移動経路を作ろうとして、レバノンでの戦闘を展開しているのだ。
しかし、レバノンは小国といえども、15年の内戦を戦った国であるだけに、テロやゲリラ戦はお手の物であろう。したがって、IS(ISIL)は容易にはレバノンを、手中に収めることは出来まい。
何故それでは次のIS(ISIL)の戦闘地域がリビアになるのかと言えば、リビアには石油があり、人口が少なく、幾つものグループに分裂しており、シリアやイラクのような、正規軍は出来上がっていない。
リビアに幾つにも分かれて、存在するグループのうちの、イスラム原理主義のグループに働きかければ、容易に受け入れてくれよう。リビアのそのグループは、たちまちにしてリビア国内で、一大勢力に拡大していく可能性があるから、IS(ISIL)の自グループへの参加を歓迎しよう。
予測通りにいま、リビアではIS(ISIL)の活動が始まっている。お決まりの人質作戦に加え、リビアの油田を狙った攻撃も起こり、IS(ISIL)はシリアやイラクで一時期成功したように、リビアの石油の密輸も、始めようということであろう。
しかし、侮っていたリビアの軍隊は、ハフタル将軍の存在によるのだろうか、。意外に強かったようだ。一旦はIS(ISIL)によって占領された油田が、リビア軍によって奪還されたようだ。
この戦いは今後も続こうし、リビアでの人質作戦とそのことによって、金と人質を交換する、ビジネスを始めよう。加えて、IS(ISIL)は残虐な殺しを、リビアでも披露することになろう。そのIS(ISIL)の手法に、リビア人がどう反応するかだ。
リビア人の血にも、イタリア植民地支配に対して、頑強に抵抗した歴史があり、意外に強い抵抗を受けることになるかもしれない。