『中央アジアはISの次のターゲットか』

2015年2月26日

 

 イラクとシリアで猛威を振るうISが、この二つの国の次に動いているのがトルコであり、レバノンそしてリビアであろう。その予測はいろいろな理由をつけて大分前に説明しているが、ほぼその通りに状況は推移している。

 トルコでは在トルコ外国大使館がターゲットになる、という警戒情報が飛び交うようになったし、小規模ではあるがトルコ国内のあちこちで、テロが起こるようになっている。

 リビアはすでに多数のISメンバーが集結し、リビアの西部を中心にテロ活動が起こっている。ISのメンバーはニジェールやチュニジア、そしてエジプトからリビアに入っているという報告がなされている。

 レバノンについて言えば、最近になってISがレバノンを彼らのイマーラ(首長国)の一つにすると言い出し、今後より激しい攻撃が展開される可能性があろう。ただ、レバノンの場合はヒズブラという、シーア派の強硬な軍団が存在し、そう簡単には落ちないだろう。またレバノンは15年間にも及ぶ内戦を経験しており、ゲリラ戦は得意とするところであろう。

 少し気の早い話ではあるが、これらの国々の次に、ISは何処に向かおうとしているのであろうか。それは中央アジア諸国ではないかと思われる情報が、最近になって流れ始めている。

 中央アジア諸国のなかで、特に狙われそうなのは、カザフスタンとウズベキスタンではなかろうか。カザフスタンはロシア人が同国北部に、多数居住していることから、いつ内紛が起こってもおかしくない状態にあるのだ。

 ウズベキスタンについては、だいぶ前からカリモフ大統領が、独裁政治を行っていると西側諸国が、非難し続けてきている。そうした国柄では、国内的に暴動や、内乱が起こっても不思議はあるまいし、世界の世論は反政府の動きを、支持することになろう。

 加えて言うならば、中東アジアのなかのカザフスタンは、石油、ガスが豊富に埋蔵しており、アメリカもロシアも影響力を持ちたいと思っているであろう。

 ウズベキスタンについては産金量が多く、ガスの生産量も少なくない。これもアメリカやロシアが、食指を動かそう。これまで中央アジアを誰が支配するのかということが、一部で語られてきた。それがISの台頭によって、より明確になってきているのではないのか。

ISの思惑、アメリカやロシアの思惑が集結していくということだ。カザフスタンやウズベキスタンからは、多数の若者がISに参加してもいるのだ。