与党AKPの設立当初からのメンバーである、ブレント・アルンチ氏が党幹部の言動を、気にし始めている。それはトルコの地方選挙が、今年の6月7日に行われる予定に、なっているからであろう。
ブレント・アルンチ氏は現在、議会スポークスマンであると同時に、副首相の要職にあるが、彼はエルドアン大統領とダウトール首相の言動について、苦言を呈している。
エルドアン大統領については過激な発言を抑え、国民を煽動するようなことがあってはいけないとし、あまり大風呂敷を広げると、結果的にそれが履行されず、国民の信用を失うといった内容だ。
ダウトール首相についても批判的な意見を述べているが、それはダウトール首相は気が弱く、インテリであることから、言葉を濁してエルドアン大統領に、直接意見を述べることがない、といったことが不満の根幹にあろう。
こうしたエルドアン大統領とダウトール首相の、いわば陰と陽の性格は、バランスが取れているときはいいのだが、そのバランスが崩れた時は、大きな痛手となって、AKPに襲いかかってこよう、
トルコ国民はいま、インフレと経済の後退、そしてトルコ・リラの下落で、不満が高まりつつあるのだ。そうなると、次の選挙では与党AKPの負けに、なる可能性もあろう。そのようなことは、ほとんど気にせず、エルドアン大統領は選挙での勝利を口にし、50パーセント以上の議席を、獲得するのだと息巻いている。
エルドアン大統領はトルコの議会議席、550議席のうちの400議席を、与党AKPで占めることを、画策している。そうなればエルドアン大統領が熱望する大統領制の国家にしたいのだ。
しかし、今度の選挙ではこれまでの様な大躍進とも呼べる勝利は、無いのではないか。