シリアの反政府組織SNC(シリア国民連合)は、トルコのイスタンブールで会議を開催し、SNC(シリア国魅音連合)の新議長を選出した。これはいままでの議長であった、ハーデイ・バフラ氏が再任を辞退したために、行われた選挙の結果だ。
信任の議長はハーリド・ホージャ氏とナスル・ハリーリ氏の間で競われ、ハーリド・ホージャ氏が56票を獲得し、ナスル・ハリーリ氏は50票を獲得し、ハーリド・ホージャ氏が新議長に選出された。
さて新議長を待ち受けているのは、ロシアが提案したシリア各派を集める、シリア和平会議だが、ハーリド・ホージャ氏はこの会議に、参加するか否か、まだ決めていないようだ。それはロシア主導の和平会議が、バッシャール・アサド体制を残存させる、というものであり、反対派を取り込んで、新政府を結成するという構想だからだ。
SNC(シリア国民連合)はあくまでも、バッシャール・アサド体制が打倒されることを、目標としているのであり、バッシャール・アサド体制との共存は、否定しているからだ。
昨年の2月には、国連の主導でジュネーブ和平会議が開催されたが、何の進展も見られなかった。したがって、今回のロシア会議をボイコットすれば、ますます今後の方向性が、見えなくなるだろう。
若いハーリド・ホージャ議長が、今後どのような判断を下すかが、問われるところだ。その際に彼が忘れてならないのは、反政府派のSNC(シリア国民連合)の頼みの綱である、アメリカは既に、バッシャール・アサド体制の打倒を、考えていないのではないのか、ということだ。ハーリド・ホージャ議長には、新しい関係各国の立ち位置を確認して、懸命な判断が下されることを期待する。