一説によれば、オバマ大統領は二期半ばにして、既にレイムダック状態に陥っているということだ。それが真実かどうかは知る由も無いが、最近アメリカの中東がらみのニュースには『何故?』という疑問が沸くものが多い。
例えば長期にわたって、莫大な軍資金と兵員を投入して続けた、アフガニスタンのタリバンとの戦いは、勝利することなく突然終戦宣言をした。悪い表現をすれば、アメリカはアフガニスタン問題を、途中で投げ出したのだ。
そればかりか、オバマ大統領は最近になって『タリバンはテロ組織ではない。』と言い出したようだ。この発言に対しては共和党側から、激しい非難が出たようだ。ホワイトハウス筋の意見では、タリバンはアルカーイダとは違う性質の組織だ、ということであろう。
そのような発言が、オバマ大統領の口をついて出たのは、アフガニスタンからのアメリカ軍の、完全撤退に伴う安全の確保に、原因があるのではないのか。タリバンを完全に敵に回せば、タリバンは撤退していくアメリカ軍に、容赦なく攻撃を加えてくる可能性が、高くなると思われるからだ。
加えて、アメリカ軍が持ち込んだ、大量の武器弾薬の処理についても、タリバンがその大半を、捕獲するであろうから、アメリカ軍が大量の武器弾薬を、テロの手に渡す結果となった、というのは不味いだろう。そのあたりが、オバマ大統領をして、『タリバンはテロにあらず』という言葉を、吐かせたのではないのか。
オバマ政権から出てきた意外な言葉は、イランの核についての、妥協的な発言だ。イスラエルはこのことでオバマ大統領に、クレームをつけているが、オバマ大統領はイラン側の核に関する要求を、80パーセント受け入れたというのだ。もちろん、アメリカ側はこのイスラエル側のクレームを、事実とは異なると否定している。
エジプトが不満を述べているのは、アメリカ政府がエジプトのムスリム同胞団関係者を招待し、彼らがいま進めているシーシ大統領に対する、反対活動について話し合ったということだ。
このムスリム同胞団関係者とは、ムスリム同胞団寄りの裁判官であり、もう一人はムスリム同胞団が、反シーシ・デモで掲げた、四本指のシンボルを考案した人物だ。また、代表団のメンバーにはエジプト革命議会の代表も、含まれているということだ。
彼らのほかには、ムスリム同胞団の正式なメンバーも含まれており、その一人はルクソール県出身の元国会議員、もう一人は著名なムスリム同胞団のメンバーだということだ。オバマ大統領は一体いま、何を考えているのであろうか??