『トルコ政府寄りの新聞ソマリア・テロは英国』

2015年1月25日

 トルコの政府寄りの新聞エニ・シャファク紙が、奇異な報道をした。それは、ソマリアの首都モガデシュで起こったテロの裏には、イギリスの情報部が絡んでいる、と報じたのだ。

 通常では考えられないことであろう。なぜならば、今回特攻テロが起こったのは、トルコのエルドアン大統領が、近く訪問を予定している、ソマリアのモガデシュであり、エルドアン大統領訪問の、訪問を受け入れるために、トルコから出向いていたトルコ政府の、スタッフが使っているホテルで、起こったからだ。

 つまりエニ・シャファク紙が主張したいのは、狙われたのはトルコの代表団だったということだ。もっと突っ込んで言えば、エルドアン大統領の訪問を狙ったものか、訪問阻止のための警告だった、ということであろう。

 この特攻テロは、特攻を行った者が車に爆弾を積み、トルコ代表団が宿泊しているホテルのゲートに突っ込んで、爆発したというものだ。このテロで2人の警察官が死亡している。

 この特攻で、ソマリアの警察官2人が犠牲になっているが、犯行はアッシャバーブ組織が行ったものであり、既に同組織から犯行声明が出ている。アッシャバーブ組織はアルカーイダとつながっているテロ組織だ。

 エニ・シャファク紙は犯行の背後にイギリスがいる、と書いたわけだが、その根拠については、言及していないようだ。

 エニ・シャファク紙はこれ以外にも、奇妙なニュースを報じている。それはアメリカの警官が襲撃されて殺されたことと、フランスで起こったシャルリー・エブド社襲撃事件は関連しているというものだ。

 この場合は、フランス人ジャーナリストがシリアで、人質になったことに対する復讐として、フランスはアメリカのファーガソン問題で、デモをあおり暴動にまで発展させ、警官が犠牲になったというものだ。

 つまり、エニ・シャファク紙が主張したいところは、ファーガソンに関するデモと、その犠牲となった警官の事件も、シャルリー・エブド社の襲撃事件も関連しており、いま、フランスとアメリカは激しい対立関係にある、ということであろう。

真偽のほどは分からないが、トルコのエニ・シャファク紙はこうしたニュースを、しかるべき根拠と意図があって、流したのであろう。それはフランスを狙ってのものなのか、アメリカを狙ってのものなのか分からない。