『第二スエズ運河で事故発生か』

2015年1月20日

 

  エジプトのシーシ大統領が、国民に夢を与えるプロジェクトとして始めた、第二スエズ運河建設プロジェクトが、ちょっと問題を起こしたようだ。

それは、工事現場で多分土手が崩れたのであろう。土手といっても何十メートルもある高さの土手であり、そこが崩れた場合の被害は甚大だろう。エジプト政府はあまりこの事故の被害状況を、明らかにしていないが、現地の民間報道機関は、250人の作業員や重機操作員が、運河に投げ出されて不明のようだ。また多くの重機が、運河に埋没したとも伝えられている。

この第二スエズ運河とは、スエズ運河の片方にもう一本の運河を掘り、船舶の往来航行を可能にするものだ。このため既存の運河の両岸の掘削も行われている。それが完成すると既存のスエズ運河の半分は、船が行きかう幅になるということのようだ。

運河の狭い部分についてはもう一本の運河を掘り、それが運河の半ばにある湖に達する、という形になっている。

  この第二スエズ運河が完成すれば、エジプトの運河収入は3倍から5倍に、増えると予測されている。

  今回の現場での事故によって、エジプト政府が弱腰にならないことを祈るばかりだ。このプロジェクトは、シーシ大統領が誕生した後で打ち出された、エジプト国民に対する大きな夢のプロジェクトなのだから。

  日本政府はこの運河建設にこそ技術的支援を行うべきであり、何の考えもない単なる援助を実施すべきではなかろう。