『パリ・テロの後CNNがイスラムを問う』

2015年1月12日

 アメリカのCNNテレビが、パリで起こったテロ事件の後、在米のイスラム教徒に、7つの質問をした。それらの質問に答えたのは、イスラムの専門家ばかりではないので、正しい答えとは言い切れないが、イスラム教徒の現在の心境を、理解することは出来よう。

 その7つの質問とは以下のようなものだ。

1:イスラム教は暴力を奨励するのか。

2:何故最近過激派イスラム教徒による攻撃が続いているのか。

3:いまイスラム教徒はどう感じているのか。

4:イスラム教では預言者の肖像は禁止されているのか。

5:何故イスラム教では預言者がそうも重要なのか。

6:イスラム教は改革が必要か。

7:どうしたら過激派の活動を止められるか。

 

1:の疑問については、弁護士が答えている。『ユダヤ教もキリスト教も仏教もテロリズムを生んでいる。』。他のイスラム教徒の作者は『イスラム教では無心人者は殺せと教えている』と答えている。

2:の疑問については、個人的な理由や歴史的背景、国際政治情勢など、多くの要素があると答えている。

3:の疑問については、多くのムスリムがアッラーフ・アクバル(アッラーは偉大なり)と言ってテロを実行することに、怒りやフラストレーションを感じている。

4:の疑問については、コーランでは禁止していないが、預言者の言行録によれば、預言者がそれを望んでいなかったということだ。

5:の疑問については、預言者ムハンマドは単なる預言者ではなく、完璧な信仰の人であったし、信仰のシンボルだった。

6:の疑問については、パリでのテロが起こる少し前に、エジプトのシーシ大統領が、宗教革命の必要性について語っている。この点については既に、改革が始まっているという意見もある。

7:の疑問については、過激主義は若者の問題であり、30歳以下のイスラム教徒の若者は、60パーセントを占めている。彼らに対してアルカーイダやIS(ISIL)は、リクルートしているのだ。

 簡単に言ってしまえば、イスラム教徒もいま真剣に悩んでいる、ということではないのか。この問題を解決しなければ、ヨーロッパはテロの戦場となり、経済は破壊され、それが世界恐慌を生むことになるということだろう。