『トルコはハマースで窮地に追い込まれるか』

2015年1月11日

 

 トルコがいま西側諸国との間で、問題を抱えそうな立場に、追い込まれている。それは、トルコ政府がパレスチナのハマース組織を、支援しているためだ。述べるまでも無く、アメリカはハマースを、テロ組織とみなしている。

 最近になって、アメリカ政府の高官はトルコとハマースとの関係について、クレームをつけ始めている。それは、トルコがカタールから追放になりそうな、ハマースの代表者ハーリド・ミシャアル氏を、受け入れると発表したからだ。

 ハマースがテロリスト組織とアメリカに認識されているなかでは、そのハマースを支援するトルコは、テロのスポンサー国ということになってしまう。それは当然の帰結として、しかるべき制裁をアメリカから受ける、可能性があるということになろう。

 アメリカのジェン・プサキ氏は、『ハマースはテロ組織として結成された。』と語っている。昨年の夏のイスラエルとハマースとの戦いで、ハマースはテロ組織としての本領を、発揮したと言いたいのであろう。

 そのことに加え、アメリカ政府のスポークスマンであるジェン・プサキ氏は『我々はトルコとハマースとの関係を監視し続ける。トルコの要人がハーリド・ミシャアル氏のトルコ訪問時に、彼と会談していることも問題視しているのだ。トルコはハマースに圧力を掛けて、緊張を緩和し、暴力を排除するよう働きかけるべきだ。』とも語っている。

しかし、現段階ではアメリカがトルコに対して、しかるべき制裁を加える段階には、なっていないようだ。例えば、アイマン・ザワーヒリをトルコが招いた場合にはどうか、ハーリド・ミシャアル氏を招いたことはどうか、という質問に対して言葉を濁したようだ。

しかし、トルコ政府はもしカタール政府が、ハーリド・ミシャアル氏を追放するようなことがあれば、受け入れるという立場を明確にしている。なおハーリド・ミシャアル氏は1967年以来カタールに在住しており、現在58歳に達している。

トルコ政府は昨年のハーリド・ミシャアル氏のトルコ訪問時には、エルドアン大統領が会談し、つい最近ではダウトール首相が、同氏と会談しているし、ハーリド・ミシャアル氏はAKPの、地方大会にも参加している。つまり、トルコ政府のハマースとの関係が、派手になり過ぎてきており、アメリカは看過出来ない,ということであろうか。