1月11日に、パリでテロ事件に抗議するデモが行われるが、このデモに参加すると言い出している、各国各派の代表が多数いる。パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が、参加すると言った。
その意図は、パリのテロに抗議しての、怒りの参加なのか、あるいは世界にパリのデモに参加することによって、イスラエル軍がガザで2100人を殺害したことを、訴えるつもりなのか。
パレスチナのヨルダン川西岸の、パレスチナ自治政府の本部がある、ラマッラ市でも、パリで起こったテロ事件に対する、抗議デモが企画されている。
イスラエルからもネタニヤフ首相が、パリの抗議デモに参加する、と言っているが、この場合もマハムード・アッバース議長同様に、多目的型参加であろう。つまり、ヨーロッパで拡大している、反ユダヤの危険な動きを、世界に訴えるという、もう一つの目的があるということだ。
トルコからはダウトール首相が、抗議デモに参加するということだが、この場合も同様に、多目的型の参加であろう。トルコの現状は戒厳令下同様であり、マスコミや国民に対する締め付けが、厳しくなっている。
そのトルコ政府に対する、ヨーロッパからの非難の声が、拡大しているのだ。ダウトール首相はデモに参加することによって、ヨーロッパのトルコ批判を弱めたい、と思っているのであろう。
トルコの国内では、国民がパリのテロ事件に抗議する、デモを企画しているが、これはそのことを口実に、政府に対する抗議行動をする、ということではないのか。それと呼応して、トルコ在住のフランス人が、パリのテロ事件への抗議デモを、行うということだ。
つまり、各国各派はそれぞれの意図を持って、パリのテロ事件に対する抗議の、意思表示をするということであり、純粋に悲しみのためや、テロリストに対する怒りから、デモをするとは限らないということだ。
問題はマスコミや幾つかの国が、今回のパリのテロ事件を大きく取り上げ、あたかもヨーロッパ全体が、テロとの戦争に突入したように、あおっていることだ。そのためにはISやアルカーイダと、今回のテロ事件を起こしたテロリストを、結びつける必要があろう。
そして、何時かヨーロッパは経済が後退し、各国では国民の暴動を警戒し、デモや暴動を阻止するために戒厳令が敷かれ、その元では体制に対する抗議の犯罪が増加し、庶民の生活は安全と経済で、脅かされるようになるということだ。その場合誰が得するのかを、考えてみる必要があるのではないのか。