トルコでは新年早々、酒とタバコに対する、税金が引き上げられるそうだ。愛煙家の私としては、放っては置けないニュースなので、ご紹介しておこう。そもそも、酒やタバコは庶民が、最も安価に楽しめる、ウサ晴らしの薬でもあるのだ。
その酒とタバコの税金が引き上げられることは、庶民に取っては耐えられないことであり、社会的な不満を呼び起こすことが予測される。酒はともかくも、タバコは以前から日本よりも高かったのだから、このうえ価格が上がるということは、愛煙家にとっては、たまらないことであろう。
こうなると、愛煙家を狙ったタバコの密輸が、増えるということであり、トルコのマフィアに、思いもかけなかった富を、もたらすということになろう。政府はそのことを、計算済みなのであろうか。
タバコと酒の課税率が上がることは、政府の閣議で決定され、既に官報で昨年12月30日に、公表されているそうだ。
ビールについては、1リットル当たり0・74トルコ・リラだったものが、0・85トルコ・リラに引き上げられるということだ。つまり、15パーセント上がるということになる。
ワインについては、固定税が3・97トルコ・リラだったものが、4・59トルコ・リラに引き上げられることになった。つまり、16パーセント引き上げられたということだ。
トルコ国民の間で最も多く飲まれている、ラクについては21パーセント引き上げられ、1リットルビンに107・72トルコ・リラが課税されることになる。税金が引き上げられる前は89・11トルコ・リラであった。
タバコについては、一箱あたり0・1866トルコ・リラとなり、引き上げ前は0・13トルコ・リラだった。タバコに対する税率はこの結果、82・5パーセントから83・05パーセントに引き上げられることになった。これはタバコ税としては世界で最も高い税率ということになる。
トルコの周辺諸国では、例えばマルボロが市中で、100円を少し上回る程度で、売られているのだが、トルコ国内の市中では、500円以上の価格で売られている。それがもっと値上げされるのだから、これだけの価格差があれば、密輸が横行するの、当然ということになろう。
トルコ貿易協会のベンデビ・パランドケン会長は、これでトルコがイギリスを抜いて、世界一タバコ税が高い国になった、と語っている。トルコではタバコの平均価格が5ドル程度だが、近隣のシリア、イラン、アルメニア、イラクでは2ドル以下で売られている。
今回の税率の引き上げで、アルコール類は10~15パーセント値上がりし、タバコは3~15パーセント値上がりするものと、見られている。しかし、ヨーロッパ諸国はトルコのタバコ税率の引き上げが、周辺諸国からの密輸を増やし、トルコが周辺諸国からの密輸タバコの、ヨーロッパへの中継地になることを、懸念しているようだ。