2015年を向かえ、中東世界からもニュースが伝わってきている。そのほとんどはあまり芳しくない今後を、予測させるものだ。例えばIS(ISIL)が分裂の傾向を示しているというニュースがあったが、これは歓迎できるニュースとして、受け止めることが出来よう。
イラクのモースルで追い込まれている、IS(ISIL+)内部でアラブ系の司令官たちが、戦線を離脱して帰国を希望する者が、増えているということのようだ。これに対し、IS(ISIL)は処刑という厳罰で対応している。既に83人が処刑されたということのようだ。
彼らはモロッコ、チュニジア、リビアなどアラブ諸国から来た者たちだ。これまでの戦闘で、イラク軍側が捕獲したIS(ISIL)戦闘員のパスポートは、多くの国々から戦闘に、参加していることを示している。
続いて目に付いたのは、パレスチナ自治政府の国連による、国家承認の失敗に関するものだった。この結果、パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長は、ICC (国際刑事警察機構)への加盟を進めており、それをアメリカとイスラエルは快く思っていないようだ。
述べるまでも無く、パレスチナ自治政府がICCメンバーになれば、イスラエルの犯罪が提案されることになりイスラエルが追い込まれるからだ。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、ICCにパレスチナ自治政府に加盟すれば、パレスチナ自治政府が行ってきた犯罪も、裁かれることになる、と強気の発言をしている。
そして、最も目立つ量のニュースを、提供したのはトルコだった。トルコからは汚職問題が、2015年のトルコの最大のテーマになる、というものが伝えられた。確かにそうであろう、多くの閣僚と子息が逮捕される事件は、その後あいまいな形で落着しているが、それほどトルコ社会は甘くないのではないか。
ダウトール首相が1月後半に計画されているTUSIAD(トルコの経団連のような組織)の年次総会に欠席する、と言い始めた。それはエルドアン大統領が出席しないことが理由だが、エルドアン大統領は『TUSIAD から、自分のところには話が来ず、ダウトールのところだけに行っている。』ということが原因だった。
そのトルコの経済だが、2015年は暗い見通しが出されている。ロシア、イラクとの輸出の減少。ヨーロッパ諸国の景気低迷などが、トルコの輸出総額を減らしている。他方、輸入については結構延びているということだ。その中心は金の輸入だ。10月には6・6トン11月にも4・7トンが輸入されている。
結果的に、トルコの2014年の貿易赤字額は、78億ドルと予想されている。