最近になって、トルコの経済状況を示すデータが発表された。それによれば、2015年のトルコの赤字額は95億ドルに達しそうだということだ。
他方、トルコに対する外国からの直接投資額は、2011年に160億ドルを記録していたが、2014年には90億ドルに減っている。このうち30億ドルは不動産投資によるものであり、株式市場や企業への投資ではない。
中国と競い合っていると言われていた、GDP の伸び率も3パーセントに留まっている。それにもかかわらず、インフレ率は8パーセントに達し、失業率は12パーセントに達しているそうだ。
トルコの外国投資や送金が増えていることが、最近のもう一つの特徴だ。その額は44億ドルに達しているということだ。外国投資先はオランダ、ドイツ、アメリカが目立っている。
こうした経済状況の悪化は、エルドアン大統領の強硬発言や、政策に対する嫌気が原因の一つではないか。エルドアン大統領は彼に対して批判的な、マスコミの報道や学者の発言を、徹底的に取り締まる方針であり、最近ではザマン新聞の編集長や、サマニヨル・テレビのトップが逮捕されている。
エルドアン大統領は、『今後もマスコミ人が留置所に、多数入れられることになろう。』と語り、ジャーナリストが反政府的であったり、テロと関連があるからだというのだ。それに加え、エルドアン大統領はジャーナリストのなかには、銃を所持する者、殺人に関わる者もいると非難している。
さすがにここまで、エルドアン大統領がマスコミ人に弾圧を加えると、欧米諸国は黙っていない。エルドアン大統領に対し非難の論調が、欧米のマスコミで目立ち始めているし、政治家らの批判発言も然りだ。
これに対し、エルドアン大統領は『トルコほどジャーナリストにとって自由な国があるか、欧米は余計な口出しをするよりも、イスラムホビアを止めるべきだ。』と切り返している。
数日前には、16歳の少年がエルドアン批判をして、逮捕され留置所に入れられる、ということが起こったし、若い女性も同じように逮捕される、ということが起こっている。いまのトルコでは報道の自由どころか、少しでもエルドアン大統領を批判すれば、逮捕され投獄されるということだ。しかも、それは年齢に関係なく行われるということだ。
エルドアン大統領に批判的な記事を書く、ジャーナリストが多く参加している、トルコ・ジャーナリスト協会の本部を警察が急襲し、閉鎖してもいる。