去る8月にトルコの大統領に就任したエルドアン氏は、トルコの行政システムを、全面的に変更する意向だ。今週木曜日(12月11日)に、タラフ紙が伝えるところによれば、首相の権限は大幅に削減されるようだ。
タラフ紙はこの記事に『シャドウ・キャビネット』というセンセーショナルなタイトルをつけ『影の政府が成立した』と、その内容を伝えている。
このシャドウ・キャビネットは、これまで大統領府にあった、4つのアドバイザー・ポストを13に増やし、その各局のトップが実質的に閣僚の権限を、有することになるようだ。
これまでは大統領府には、事務局、協力連絡局、情報テクノロジー局、人材局があったのだが、これに9つの新たなポストが設けられことになったようだ。
その新たなポストとは、国内サービス局、外交局、経済局、国防局、エネルギー局、社会問題局、コミュニケーションセンター局、投資局といったものだ。
国内サービス局はもっぱら、エルドアン大統領が仇敵とみなしている、ヒズメト対策を担当し、加えてクルドの入植問題も担当する。
外交局はトルコの外交政策を決定するわけだが、これはエルドアン大統領の最高顧問である、イブラヒム・カルン氏が担当する。
投資局は国内の建設業務一切を取り仕切ることになり、橋、道路、空港の建設と整備を担当することになる。これでこれまでは首相府が許認可を出していた、建設事業については、大統領府がその権限を持つことになる。
首相府に送られた県背悦関係の許認可申請は、大統領府に送られ、大統領府で審査され、問題があれば首相府に差し戻されることになる。つまり、これは大統領府と首相府の二重構造の政府ということであろう。したがって、建設関係のすべての権限は、エルドアン大統領が握る、ということになる。
しかし、トルコの憲法では、大統領府がいずれの投資でも、許認可の権限を有することは認められていない。エルドアン大統領が強引に、新しいシステムを作ろうとしている、ということだ。そして、大統領権限の拡大は来年の地方選挙で、彼の与党AKPが勝利した後は、さらに拡大していくことになろう。