『パレスチナのイマームが強硬発言』

2014年12月 9日

 

 ユダヤ人とイスラム教徒との対立で、最も被害を受けているのは、パレスチナ人であろう。それだけに、IS(ISIL)のアブーバクル・バグダーデイが唱えた、イスラム国のカリフ宣言は、パレスチナ人にも少なからぬ影響を、与えているようだ。

 イスラム教徒がアブーバクル・バグダーデイの指揮の下に集まり、ユダヤとイスラムに敵対する者を打倒していくという、勇ましい呼びかけは、アラブ各地で少なからぬ反響を与えている。その表れはアブーバクル・バグダーデイに対する、アラブ各国のイスラム過激派組織による、バイア(その人物に追従するという宣誓)の宣言だ。

  北アフリカのリビアやチュニジア、そしてアルジェリアにエジプトの過激派イスラム教徒は、こぞってアブーバクル・バグダーデイに対する、バイアを行っている。

そしていま、イスラム教徒対ユダヤ教徒の問題の核心である、パレスチナの東エルサレムで、シェイク・オマル・アブーサラーラが強硬な説法を行った。この説法は1128日に、インターネット上で公開されている。

シェイク・オマル・アブーサラーラはそのビデオの中で、ユダヤ人は1万人を超える、多くの預言者たちを殺してきたし、イスラムの預言者ムハンマドも殺害しようとし、失敗していると語った。そこで今、イスラムのカリフが登場した時、ムスリムは立ち上がって、ユダヤ人を殺さなければならないと発言している。

シェイク・オマル・アブーサラーラは『アッラーの僕のムスリムたちよ、お前たちは木や石までもが、私の背後にはユダヤ人がいるここに来て彼らを殺せ』と預言者ムハンマドが語ったように、ユダヤ人と戦うのだ、と呼びかけている。

『ユダヤ人はアッラーが作った最悪の悪魔だ。』とも語っている。彼に言わせるとユダヤ人は、ことごとく殺さなければならないということだ。曰く、『ユダヤ人を殺す時が来た』『ユダヤ人と戦う時が来た』『ユダヤ人を屠る時が来た』というのだ。

 シェイク・オマル・アブーサラーラは、アッラーに忠実なムスリム、信仰深いムスリムは、各々の義務を果たすべきだ、とも語っている。そして、イスラム・カリフの時が来たのだから、ムスリムはイスラム・カリフ国家のために立ち上がり、イスラム教徒の土地を、解放すべきだというのだ。

このオマル・アブーサラーラの説法が、東エルサレムのシャリーフ・モスクで行なわれたのか、アクサ・モスクで行ったのかは不明だが、数十人の男たちが彼の説法に熱心に聞き入っていた。ただこの説法は、金曜日のイマームの資格ではない形での、説法のようであり、他の多くのムスリムたちは、オマル・アブーサラーラの説法に、特別な関心を示してはいなようだ

イスラエルのネタニヤフ首相が過激化している一方で、パレスチナ人の中からも過激な考えが出てきており、結果的には大規模な流血の惨事に、至るかもしれない。