イラクのニノイ県のモースル市から、IS(ISIL)は家族をシリアに移動させている、という情報が伝わってきた。述べるまでも無く、それはIS(ISIL)がモースル及び、ニノイ県の各地で、不利な戦いをしているからに他ならない。
6月10日にモースルを支配したIS(ISIL)は、その後、アメリカを中心とする連合軍の空爆や、クルドのペシュメルガ軍、イラク軍の攻勢の前に、不利な状況に追い込まれている。ペシュメルガの司令官が言うには。ペシュメルガ側に被害は無く、IS(ISIL)の側だけに死傷者が出る戦いが、続いているということだ。
IS(ISIL)側が家族をシリアに、移動させているという情報は、モースルの情報源が、伝えてきたものだということだ。
なかでもクルド人やキリスト教徒、ヤズデイやシーア派住民などに、残虐な行為をしたIS(ISIL)の幹部たちは、報復を恐れて今回の家族移動を、決めたのだろうと見られている。
彼らがシリアに家族を移動させたということは、近い将来、シリアからトルコに避難させる、という前提ではないのか。しかし、シリアからトルコに逃れても、トルコの南東部の住民のほとんどが、クルド人であることから、トルコに渡っても報復を受ける可能性は、否定できないのではないか。
つまり、IS(ISIL)はそろそろイラクやシリアにおける、有利な戦闘ができる状況には、無くなったということではないか。そしてイラクやシリアから、何とかして逃れようと、考え始めているということであろう。