情報通の間では、トルコとIS(ISIL)との関係が、極めて良好だと理解されている。先日もトルコ軍の将兵とIS(ISIL)の戦闘員が、シリアとの国境付近で、談笑していることが報告された。
トルコ政府はシリアのアサド大統領憎さに、IS(ISIL)の蛮行を黙認してきたし、そればかりか武器弾薬も、提供してきているようだ。しかし、現段階に至って明らかになったことは、IS(ISIL)が行っている、シリアやイラクの石油の密輸が、トルコ政府に大きな損失を、生み出しているという事実だ。
現在IS(ISIL)は一日数トンの石油を、トルコに密輸しているし、イラクとシリアの油田で、全体では一日25000~40000バーレルを、生産しているということだ。この結果、IS(ISIL)は一日当り、200万ドル程度の収入を、得ているという計算になる。
これらの石油がトルコに流れ込むばかりではなく、イランやレバノンで売られており、トルコは正規の石油輸入から上がる輸入税が、8・63億ドルも減っているということだ。
トルコのガソリン販売業者は、合計で17.2億ドルの損失をこうむっている。IS(ISIL)の戦争が始まって以来、シリアとイラクからのトルコへの、石油の密輸量は314パーセントも増えている、と報告されている。
トルコ国内の石油市場規模は、500億ドルでその約半分が、国家の税収となっていた。ガソリン税は61パーセント、デーゼル・オイル税が55パーセント、LPG税が50パーセントとなっている。
密輸石油市場はいま盛んであり、デーゼル・オイルは95000トルコリラのものが、密輸では50000トルコリラで売られているのだ。この密輸石油の市場はトルコ南東部のハタイ、クルス、ガゼンテペ、サンヌルウルファ、マルデンなどと報告されている。