これまで何度も流れていた情報だが、ここに来てアメリカの情報機関は、トルコに対して、IS(ISIL)との関係について、厳しい質問を向け始めているようだ。それが今後のアメリカとトルコとの関係に、どのように影響していくのか、興味深いところだ。
以前から伝えられていたように、トルコはISI(ISIL)やヌスラ組織に対して、大量の武器弾薬を提供してきていたといわれている。その提供された武器弾薬の量は、トラックで2000台分だというから、相当な量なのであろう。
その運搬については、トラックの荷物が何であったかは別にしても、グーグルの衛星写真から、確認できるということだ。もちろん、トルコ政府の当時首相だったエルドアン氏や、大統領だったギュル氏は、イラク国内のトルクメン人(イラクに何代にも渡って居住しているトルコ系イラク人)に対する、人道的な援助でしかない、武器では無いと否定している。
しかし、このことは最近になって再度、トルコのマスコミの話題になっている。そして国会での質問にもなり、この話題はさらに国民の間に広がっている。
トルコのIS(ISIL)に対する貢献は、こうした武器弾薬の提供ばかりではない。誰もが否定できない、IS(ISIL)やヌスラに参加する義勇兵の、通過地点にトルコがなっている点だ。加えてトルコは資金の通過地点でもあり、なおかつIS(ISIL)のリクルート・センターにもなっているようだ。
IS(ISIL)のリクルートが世界に向けて行われ、80カ国以上の戦闘員が参加していると言われているが、彼らに対する呼びかけは、トルコを基点にしているのではないか、と考えられてもいる。もちろん、それとは別に、マンツーマンのリクルートについては、これとは別の形で行われており、イズミルが一つの拠点になっている、ということのようだ。
トルコのハリス・バユンジュクという名のイスラム指導者は、IS(ISIL)の支持者として知られているが、彼は幾度と無くIS(ISIL)礼さんの演説を行っており、それがユーチューブを通じて流されており、IS(ISIL)のユーチューブでも、報じられている。
アメリカの情報機関は何度と無く、トルコ政府に対してIS(ISIL)との関係や、トルコ国内でのIS(ISIL)の動きに対して、問い合わせているが、トルコ政府側はアメリカの納得するような答えを、未だに出していないようだ
このことが近い将来、アメリカとトルコとの関係を、悪化させていく可能性はあろう。インジルリク空軍基地使用をアメリカに認めず、IS(ISIL)への協力が事実であるとなれば、ただでは済むまい。