『いろいろあった20154年来年は何が起こるか』

2014年12月31日

 

 20141231日の中東の記事を、インターネットで見た。相変わらず血なまぐさい記事が多い。

ヨルダン人パイロットにISISIL)がインタビューし、それを公表したリビアのトブルクにある議会が、特攻攻撃を受けた。バハレーン反体制側は闘争継続。イラクでのイラク軍とISISIL)の戦いが続いている。パレスチナは国連での国家承認敗北を認める。

トルコからは反エルドアン側の攻勢が目立っており、一部エルドアン大統領の妥協らしいものが、ちらついてもいるが、相変わらず強気の姿勢を崩していない。そればかりか、トルコの経団連ともいえるTUSIDが、エルドアン大統領ではなく、ダウトール首相と近いということで、エルドアン大統領が腹を立て、TUSIADの大会に欠席するという記事も流れている。

 そのエルドアン大統領の政治姿勢に対し、欧米諸国はこぞって権威主義と判断し、批判的なスタンスを取っている。もちろん、トルコでは裁判所、検察、ジャーナリストが、それぞれの立場から、エルドアン大統領に対する、賛否両方の意見を発出してもいる。

 リビアでは相変わらず内戦が続いており、シルテの石油施設が攻撃され、炎上したことで、リビア政府はアメリカの企業に依頼し、600万ドル支払って消化した、という記事が流れている。公共建物の破壊、人的犠牲、いずれをとっても、リビア国民と将来に、重い負担になることだろう。

 ヨルダンからは、同国内で外人が70万人働いている一方で、18万人の国民が失業している、という記事があった。そのことは社会不満の種であり、早晩ヨルダンでは、大規模な反政府デモが起こるだろう。

 エジプトからは、同国が14億ドルの赤字を抱えている、という記事が出ていた。その額がどれほどの負担なのか判断できないが、何とかなる額ではないだろうか。問題は反政府デモが鎮静化して行き、国民が生産に従事する、社会的雰囲気が出来ていくことだろう。

 エジプトのシーシ大統領は、第2スエズ運河建設計画を、順調に進めているようだ。それがいまのところ、エジプト国民にとって希望であり、将来への最大の夢なのかもしれない。同国の2015年が安定化への年であることを祈る。

 2015年に危険度を増すだろう、と考えられる中東の国はリビア、トルコではないか。

リビアでは既にISISIL)に呼応する、ファジュル・ル・イスラーム組織が活発な軍事作戦を展開しているし、それに対抗するハフタル将軍側も、一歩も引いていないからだ。アメリカが何時介入するか、ということも気にかかる。

 トルコはイラク・シリアのIS(ISIL)が、今後両国からトルコに逃げて来るだろう、ということが予想され、それがトルコ南東部のクルド人との間で、衝突を起こすこが予想されからだ。これ以外にもトルコでは民主化の波が、再度高まろうし、それと時を同じくして、汚職反対の行動が、国民の間から起こるだろう。トルコは選挙の年でもあり、政治運動が活発になろう。