IS(ISIL)のリーダーであるアブバクル・バグダーデイが重傷か死亡か、という情報が流れるなかで、アメリカ軍の空爆も手伝ってか、IS(ISIL)は最近苦戦を強いられているようだ。
つい最近の戦闘で、クルド側がIS(ISIL)の補給ルートを、抑えたと発表した。このことにより、IS(ISIL)はアレッポに近いラッカの街からの、補給が出来なくなったようだ。そのことは、武器弾薬はもとより、食料の補給も断たれるということであろうから、今後のIS(ISIL)の戦闘には、相当の影響が及ぶものと思われる。
クルド側の発表によれば、この戦闘では反クルド側に、865人の戦死者が出たということだ。その内訳は、IS(ISIL) の戦闘員が746人、そのほとんどがシリア人ではないということだ。ヌスラの戦闘員は68人が戦死し、50人は市民やイスラミストだということだ。
先日IS(IISIL)が女性や子供の奴隷を、超安値で売り出したことをお伝えしたが、それはIS(ISIL)が相当追い込まれている、ということではないのか。つまり、女子供を抱え込んでいては、足手まといになるし、食料の配布も困難になってくるからではないのか。
世界中から参加したIS(ISIL)の戦闘員たちは、武器弾薬はもとより、食料が欠乏してきた場合には、相当に不満が出てくるのではないのか。彼らの相当部分は、腹いっぱい食事がとれて、満足であり、ある者たちは金が手に入ることに第一の喜びを感じるだろう。
女や麻薬にひかれている者たちにとっても、補給路が断たれれば、麻薬は品薄になるかもしれない。
そのうえ、武器弾薬が不足するような事態になっては、一気に不満が爆発して、内輪もめが起こる危険性もあろうし、離脱者も出てこよう。ジハードという美名のもとに集められた集団は、所詮は嘘で塗り固めたものではないのか。そうであるとすれば、外部の組織のバイア(バグダーデイへの支持忠誠表明)も、たちまちにして消えてしまおう。
もちろん、私が予想しているような状態には、ならないかもしれない。逆に糧断によって、IS(ISIL)の戦闘員の結束が 、強くなることもあり得よう。いずれが正解なのかは、せいぜい1か月も待たずに、結果が明らかになるものと思われる。それまではIS(ISIL)の今後に関する、断定は避けるべきなのかもしれに。