チュニジアで行われた国会議員選挙で、世俗派のニダー党がトップとなった。217議席のうちの、約80議席をニダー党が獲得し、イスラム政党のナハダ党は、70議席にとどまったようだ。
当然のことながら、最大議席を獲得したニダー党も、単独過半数というわけにはいかなかったので、他党との連立政府ということになる。ニダー党の党首であるベジ・シデイ・シブシ氏(87歳)は、自分の党に近い考え方の党と、連立を組むと語っている。
選挙期間中は、ニダー党がナハダ党と連立を組むかどうかという点について、明言を避けていた。選挙期間中ニダー党は『ナハダ党との連立については、選挙結果によって検討する。』と答えていた。
この議会選挙に続いて、大統領選挙が11月23日に予定されているが、ベジ.シデイ・シブシ氏が立候補するものと予測されている。
ナハダ党側はガンヌーシ党首が、ニダー党との連立にやぶさかでないことを、選挙前からすでに公言し、『いまチュニジアにとって、一番必要なのは連立内閣を作り、国民の意思を一つにすることだ。』と選挙前から公言していた。
問題は、今後連立内閣が誕生し、国民の意思を統一し、国内政治の混乱から免れても、どう貧困問題や失業問題を解決していくか、ということであろう。そもそも、2011年にチュニジアで、アラブの春革命がおこったのは、貧困と失業が原因であった。
今回のチュニジアの国会議員選挙は、他のアラブの春革命が起こった国に比べ、極めて成功裡に終えたと言えよう。ヨーロッパの選挙監視委員も、フェアーで自由な選挙であったことを、称賛している。
さてこのチュニジアの選挙の成功例が、隣国のリビア国内政治に、今後、どのような影響を与えていくのか見ものだ。リビアはいまだに部族や宗教派閥、世俗派との間で、戦闘状態が続いている。今後、チュニジアの国内情勢が安定化していき、経済的にも発展していくことを期待したい。