トルコはある意味で、今の時期の主役なのかもしれない。しかし、それは決して芳しいことだけではない。以下のような情報がトルコを巡って、飛び交っているのだ。
最初に紹介するのはシリアのコバネに対する、アメリカ軍による支援物資投下をめぐってだ。トルコのエルドアン大統領はこのことで、アメリカを激しく非難している。これに対し、アメリカ政府のスポークスマンは『ISがトルコとの国境地帯を制することなれば、クルドにとって極めて危険でありトルコにも危険だ。アメリカは方針を変えるつもりはない。』と明確にエルドアン大統領に返答している。つまり、エルドアン大統領の主張は、アメリカ政府によって完全に否定されたということだ。
トルコにとっていい情報は、ロシアからのガス輸入価格が、下がる見通しが出てきたことだ。これは、ロシアがヨーロッパの経済制裁下で、窮地に立たされたために起こっている、現象であろう。ロシアはトルコへのガス輸出価格を引き下げると語り、トルコ側は2015年には3000万BCM輸入する方針だ。
最後は首相府になる予定の新ビルを、エルドアン大統領が使いたいと言い、ダウトール首相はそれを受け入れたことを巡り、副首相のブレント・アルンチ氏が反対したことだ。この新ビルはAKSARAY と呼ばれ白い城を意味するが、与党AKPから名付けたものだ。
これまで共和国記念日パーテイは、大統領府のチャンカヤ・ビルで行われていたが、今年からは、AKSARAY新ビルで行われることになり、既に招待状が発送されている。このことについて、野党のMHPは共和国に対する関与だと非難し、ケマル・アタチュルクに対する、冒涜だと述べている。
エルドアン大統領が使うことになっているAKSARAYは、実はケマル・アタチュルクを記念する山林農園の土地に建てられたものであり、農園はそのために壊された。このことは世俗主義者の多くが、反発することになろう。
エルドアン大統領の子供じみた『何でも自分の手に入れたい。』は、近い将来、逆に彼から全てを、奪ってしまうかもしれない。