『サウジアラビアがIS(ISIL) 支援サウジ紙が伝える』

2014年10月17日

 

 サウジアラビアのアルハヤート紙が最新号で、とんでもないニュースを伝えている。その意図が何なのかについてはわからない。アルハヤート紙は現在イラクで起こっているテロの、60パーセントはサウジアラビアによるものだというのだ。 

 加えて、アルハヤート紙はサウジアラビアがIS(ISIL)の戦闘員に対し、軍事訓練を施しているとも伝えている。サウジアラビアはIS(ISIL)の物資供給センターにも、なっているということだ。

 このことについては、イラクのマリキ―前首相も、何度となく指摘し、サウジアラビアを非難してきていたし、イラクのアバデイ首相も同様に、サウジアラビアを非難している。アバデイ首相はIS(ISIL)の攻撃目標はイラクやシリアだけではなく、サウジアラビアやトルコも含まれていると語っている。つまり、現在IS(ISIL)を支援している国も、将来の攻撃目標になっているということだ。

 マリキ―前首相はサウジアラビアやカタールは、おおっぴらにイラクに対する、戦争宣言をしている。それはミリタントに対する、支援を通じてだと語っている。サウジアラビアの危険な行動は、何もイラクやシリアだけではなく、レバノン、エジプト、リビア、そしてアラブ以外の国も、向かっているということのようだ。

 かつてリビアのカダフィ大佐が、世界中のテロリストに対し、支援を送っていた時期があるが、それと同様に、サウジアラビアも無差別に、テロリスト組織を支援している、ということであろうか。

 こうした過ちを石油で富む国がしでかすのは、世界中のテロ組織やイスラム組織が、これらの国を訪問し、援助を要請するからであろう。サウジアラビアもリビアも、そうした組織を細かく調査することなく、まさにつかみ金を与えているのであろう。

 ただ、IS(ISIL)に対する支援は、少し趣が違うのではないか。サウジアラビア政府はしかるべき明確な目的をもって、支援しているのであろう。

 たとえば、シリアについてはスンニー派ではない、アラウイ派のアサド大統領の体制を、打倒したいという意向があり、シリア反政府政治組織であるシリア国民連合に対し、支援を送っている。その成果が、ハーデイ・アルバフラ氏を亡命政府の、大統領に据えることに、成功したことであろう。

 イラクについて言えば、イラクは国境を接する国であり、シーア派が多数を占め、政治を動かしている。そのことは、サウジアラビアにとっては、極めて危険かつ不安なことであろう。サウジアラビアはこのため、イラクの内政に間接的に関与してきたし、サウジアラビアの犯罪者たちを出獄させ、イラクで戦わせてもきている。

 サウジアラビアでは最近、外国人のIS(ISIL)メンバーが、テロ事件を起こすようになってきている。そのことはアバデイ首相の警告が、正しいということかもしれない。