『アメリカ愛想を尽かしたか?エルドアンのトルコ』

2014年9月14日

 

 トルコではエルドアン氏が大統領に就任して、1ヶ月が経過しようとしている。首相時代と同様に、彼は自分の思うままに、国内外政治を実行しているようだ。そのことは、国内では与党の党員の、AKP離れを一部で起こしている。

 国外では、アメリカとの関係が、次第に悪化しているようだ。それは、イラクとシリアで猛威を振るう、ISに対する対応をめぐってだ。ご存知の通り、アメリカはIS潰しに、本格的に乗り出したようだが、トルコはアメリカの求める協力をしようとしていない。例えばインジルリク空軍基地の使用だ。

 トルコのこのインジルリク空軍基地に、アメリカ空軍が駐留しているのだが、イラク戦争の折にも今回のIS攻撃でも、トルコはアメリカ軍にインジルリク空軍基地を、使わせないというのだ。  

 そればかりか、アメリカやヨーロッパがテロリスト・グループと見なしている、ヌスラ・グループや、その他のグループに参画するテロリストの、イラクやシリアへの通過地点として、トルコは彼らテロリストに、便宜供与しているのだ。

 このため、トルコの国内には幾つもの、ISやヌスラの外人テロリスト受付事務所が、設けられているだけではなく、軍事訓練所もあるということだ。トルコの友人の語るところによれば、軍事訓練所はアンカラとイスタンブールの、中間の山岳地帯にあるし、イスタンブールにもテロリスト受け入れ事務所が、あるということだ。

 これでは、アメリカが幾らIS掃討に力を入れても、なかなか成果は挙がるまい。専門家の一人が語っているところによれば、IS 掃討作戦は国際的な協力と連帯が、必要だということだが、エジプト政府もケリー国務長官のカイロ訪問時に、同様の立場を明らかにしている。

 トルコの実質的な反アメリカ的姿勢に業を煮やした、アメリカのウオール・ストリート・ジャーナル紙は『アメリカ軍のトルコ駐留をやめよう、他の国でも代替が可能なのだから』と書いた。

 元在トルコアメリカ大使だったフランシス・リカルドーネ氏は『トルコはフランクに言わせて貰えば、ヌスラ組織やアルカーイダ組織と協力している。トルコは彼らのシリア、イラクへの、通過地点になっているのだ。』と語った。

 ウオール・ストリート・ジャーナル紙は『アメリカはもうアンカラに友人はいない。我々には他の選択肢がある。』と記事を締めくくっているそうだ。

 トルコはテロリストの通過地点になっているだけではなく、テロリスト・グループに対して武器弾薬も提供しており、2000台のトラックに武器が満載され、シリアやイラクのテロリストの元に、届けられたという報告もある。

 トルコ政府の高官の外相や、情報長官その他がヌスラ組織、IS、アハラールシャームといったテロ組織幹部と、電話で話し合っていることがばれてもいる。これではトルコの欧米との関係は、確実に悪化していくことであろう。

 イラク国防省の報告によれば、つい最近もトルコ経由で150人のサウジアラビア人など、テロリストがイラク領内に入ったということだ。そのことを、ドイツのテレビも追認している。

 最近のCIAの報告によれば、イラクとシリアには81カ国から集まった、15000人の外人テロリストがいるということだが、そのほとんどがトルコ経由で、イラク、シリアに入っているということなのであろう。

 話題は変わるが、湾岸諸国や欧米からの圧力であろうか、カタール政府は自国内に居住するムスリム同胞団メンバーを、国外追放することを決めたが、その受け入れ先はトルコだということだ。これでは、トルコはテロリストのスポンサー国になる、ということではないか。

 テロリスト支援でトルコのイメージは、悪化していこう。そして、同時にそれが経済にも、影響を与えることになろう。その先に見えるのは、エルドアン体制の弱体化ではないのか。