イギリスのBBCのネットはイラク、シリアで戦闘を展開している、IS(ISIL=イラク・レバント・イスラム国家、現在イスラム国家)の戦闘員の数が、31000人を超えていると報じた。
そのわけは、BBCによればISのリクルートが、うまく行っているからだ、ということのようだ。 つい最近までCIAはISの戦闘員の数を、10000人程度と見積もっていたが、その3倍もいるということになる。
アメリカのCNNも同様に、ISの戦闘員の数を20000人から31500人と見積もり、報道している。この31500人という数は、どこか信憑性を感じさせるから、数字はマジックだといいたくなる。
しかも、CNNはこの31500人の戦闘員のなかには、2000人の西側の国民が含まれているということだ。続いて、イスラエルのエルサレム・ポスト紙は100人のフランス国籍のISの戦闘員が、既に帰国していると報じている。
この3つの報道を目にしたとき、私はどうしても疑問を拭い去れなくなる。それは、アメリカが近く本格的なIS掃討作戦を展開するが、それはオバマ大統領によれば、厳しい戦いであり、しかも、3年の長期に渡るものだということだ。
そのことは、このIS 掃討作戦には多くの犠牲と、膨大な戦費が必要だ、ということになる。そのためには、アメリカ1国では負担しきれないので、友好各国は資金提供しろ、ということであろう。
フランス国籍の戦闘員が、100人帰国したということは、これまでアメリカが報じてきたように、彼らが自国で破壊活動を展開する危険性が、極めて高くなっていくということを意味しており、ある種の脅しであろう。その脅しに乗らない者は、何らかの罰を受けることになる、ということであろう。
もちろん、日本も例外ではない。日本にも何らかの形の請求書が、回ってくることになろう。その前例はいくらでもあるのだ。湾岸戦争で日本政府は、巨額の軍資金を出しているのだから。
加えて言うならば、IS 掃討作戦が3年の長きに及ぶのであれば、アメリカはやがては日本政府に対し、自衛隊の派遣を要求してくるであろう。そのとき日本政府は断れず、『後方支援であり、戦闘参加ではない』と国民に説明することになろう。
集団自衛権がまかり通っている今日では、日本政府はアメリカの要求に対して、『ノー』とは言えまい。あえてアメリカの側に立って物を言えば『世の中にはただは無い』ということであろう。