『ムバーラク体制のH.アドリー 元内相が革命の裏を暴露』

2014年8月11日

『ムバーラク体制のH.アドリー 元内相が革命の裏を暴露』

 ムバーラク体制下で内相を勤めた、ハビーブ・アドリー氏が125日革命(アラブの春革命)の、内幕を暴露した。その内容は、これまで一部の専門家の間で語られていたものと、ほぼ一致している。

 アドリー元内相は2011年のエジプト革命の裏には、アメリカの陰謀が働いていたと語った。彼の話によれば、アメリカは新中東計画を進めようとしており、その邪魔になるムバーラク大統領を、エジプト大統領の座から引きずり下ろした、ということのようだ。

 アメリカは中東のリーダーたちに対し、民主化を進めるよう打診し、従えばしかるべきメリットも、与えると言ったようだ。もし、このアメリカの提案をアラブのリーダーが拒否すれば、アメリカは彼を独裁者として、非難するということだったようだ。

 アドリー元内少の話で、もう一つの重要なポイントは、アメリカがアラブの若者にアプローチし、どうやって権利を獲得するかを、教えたことだ。どう民主化を実現するか、どうやって革命を成功するかを、教えたということだ。

 アメリカはカタールその他のアラブの国で、若者たちを教育し訓練して、エジプトに送り返したということのようだ。そのなかには、46日運動グループや、ムスリム同胞団、キファーヤ運動に参加した若者たちがいた、ということのようだ。

 また、エジプト警察はエジプト在住のパレスチナ人に武器を与え、抗議デモ者に対して、発砲させ殺害させている。そのことは、当然の帰結として、ムバーラク体制と警察非難が巻き起こる、ということだった。

 しかし、この件に関連して、アドリー元内相は抵抗運動が始まって以来、自身は警察に対して何の命令も、下していなかったと語っている。

 アドリー元内相の話には幾つかの疑問点もあるが、大筋では正しいのではないか。オマル・スレイマーン情報長官の訪米後の死、革命が頂点に達した段階での、アメリカによるサーミー・アナーン・エジプト参謀長の呼び出しなど、疑問な点が多すぎるのだ。

 何事でも時間の経過は、次第に真実を暴露してくれる。今回のアドリー元内相の発言も、その一部であろう。彼に次ぐ者がやがて現れ、また新しい秘密のページがめくられよう。