エルドアン首相は間も無く、トルコの大統領になろうとしているが、そのことに反対するトルコのインテリは、少なくないようだ。エルドアン首相にとっては不都合な情報が、マスコミなどを通じて流れ始めている。
例えば、エルドアン首相の持っている資産額は、湾岸の多くのシェイクたちよりも多い、という報告がなされた。確かにそうであろう。何十億ドル何百億ドルという大金が、彼の周りで飛び交っているのだから。ある者は『エルドアンの金に目がくらむ者は信仰心が薄い、信仰心の強い者はエルドアンの金に無関心だ。』と語り、エルドアン支持者をたしなめている。
エルドアン首相の金満ぶりは、トルコ中で知られることとなったが、トルコの庶民の生活は、決してよくはなっていない。それでもいまのところ、エルドアン首相を支持する者が多いのは、賄賂やチップで給与以外の金が、動いているからだということらしい。
しかし、国家レベルで言うと、与党がエルドアン首相が率いる、AKPの時代になり、トルコの一般債務は大幅に増加しているようだ。例えば、2002年には個人あたりの対外債務額が、3896トルコ・リラであったものが、2014年には8296トルコ・リラに増えているということだ。
対外債務では、2002年に1963ドルだったものが、2014年には5045ドルに増えているということだ。
つまり、過去11年半の間に、対外債務の公私合計額は、2・5倍に増えたということだ。2002年には1296億ドルだったものが、2014年には3868億ドルに増えているのだ。
個人レベルでもクレジット・カードが普及したために、クレジット・カード会社への個人の借金額が、127倍に増えたと報告されている。2002年には19億トルコ・リラだったものが、2014年には2530億トルコ・リラに増えているということだ。
当然のことながら、クレジット・カードの支払いが不能になっている人が、沢山トルコでは出ている。このクレジット・カードを使い、庶民は家庭の出費をやりくりしているのだが、引き落としの時が怖いと言っていた友人がいた。
日本でも円が安くなったのに、あまり輸出は伸びていない。しかし、株高傾向にあるために、銀行からの借り入れが、大手企業にとっては楽になり、なんとなく景気がよくなっているような、感覚でいる人が多いようだ。
トルコの輸出ブームは好景気の雰囲気をかもし出し、それがエルドア人気に繋がっていたが、ここに来てその化けの皮が、剥がされそうだ。