『イラク作戦に関する400万ドルの機密文書』

2014年7月 6日

 

 イラクではISIL(イラク・レバント・イスラム国家組織)が、猛威を振るっているが、このISILの作戦は6月初旬に、ヨルダンの首都アンマン市で開催された関係国秘密会議で、建てられたものだということが分かった。

 この会議で話し合われた内容の機密文書を、ベテランの中東外交官が、イラク政府に売り渡したことで、内容が明らかになったものだ。その機密文書をイラク政府に売りつけることによって、この中東外交官は400万ドルを手にしたといわれている。

 アンマンで開催された秘密会議は、アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、トルコが支援し、イラク内外の多くの組織が参加した。そのなかにはクルド自治区のマスウード・バルザーニ議長も、参加していたということだ。

 ヨルダンやクルド自治政府からは情報トップが参加し、イラク・バアス党のイッザト・ドーリ将軍のスタッフも参加した。それ以外にはナクシバンデイ運動、アンサール・イスラーム組織、ジェイシュ・アンサール・スンナ組織、ジェイシュ・マンスール派組織、モロッコ・アルジェリア代表、20革命部隊、ジェイシュ・ル・イスラーム組織、アンサール・タウヒード組織といった組織が参加した。

 このイラクへの侵攻作戦は、中東地域全体を不安定と混乱に、追い込むことが目的だとされている。それは、イスラエル、トルコにとっては、好都合なことのようだ。

 会議の中では、クルド自治区が独立国家になることも話し合われ、イスラエルとトルコはこれを歓迎した。イスラエルにとっては、アラブ世界の中に同士の国家を見出すことであり、トルコにとっては石油を始めとする経済的利得、そして自国のクルド問題の解決に繋がるからだ。

したがって、マスウード・バルザーニ議長のクルド国家独立提案は、イスラエルとトルコ、そしてイギリスからの支持が得られ、アメリカも反対しないと見られている。

これら全ての機密情報が詰まったファイルが、秘密会議に参加した中東の外交官によって、400万ドルで取引されたということだ。その価格が高いか安いかは、当事者で無ければ分かるまい。