『エジプトは経済ブームに向かうか』

2014年6月23日

               

 13日間の長い外国出張から昨夜帰国した。ヨルダンの会議エジプトの調査、トルコそしてアゼルバイジャンとカザフスタンが訪問先だった。

 そのなかで最も興味のある情報はエジプトで得たものだった。 エジプトではシーシ大統領誕生に伴い、将来への希望が膨らみ始めている。軍の出身者であることから、国内治安を回復してくれるだろう、という期待があるからだ。

 国内治安さえ回復すれば、まず観光客が大挙してエジプトに押し掛けてくる、という予測だ。実際に今年の夏以降は相当増えるだろう、という楽観的な予想が観光事業関係者の間で語られていた。

 加えて治安が回復すれば、外国からの投資も増えるだろう、という予想だ。実際にシーシ大統領を迎えたいま、エジプトの治安が回復し、疲弊していたエジプトは投資先として、絶好のタイミングだと見る向きが少なくないようだ。

 そのなかで目立ってきているのは、湾岸諸国の援助と投資だが、これはアメリカに対する不信から、エジプトへの信頼と期待が膨らんでいることも、関係していよう。

最近ではこうしたこともあり、エジプトの株価は上昇傾向にあるようだ。また、闇ドルが公定レートと並ぶようになり、姿を消したという話も聞いた。つまり、正攻法で行く方が儲かる時代に入ってきた、ということのようだ。

  次の話は噂の域を出ないかもしれないが、湾岸諸国が押し並べてアメリカの誠意に失望し、エジプトに防衛への期待を膨らませているということだ。そのためシーシ大統領が登場すると、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が、合計200億ドルの援助を決めた、ということも伝えられている。このことは噂ではないのだ。

 そのことに加え、イギリスや旧イギリス配下の国、たとえばオーストラリアがエジプトで地下資源の開発を、本格的に始めたということが伝えられている。一説によれば、エジプトは世界第2位の金の埋蔵量を、誇る国だということだ。

 石油やガス資源についてもエジプトの友人は次のように説明してくれた『西はリビア南はスーダンそして東はサウジアラビアであり北はイスラエルだ。述べるまでもなく、リビアもスーダンもサウジアラビアも大産油国だ。加えていまではイスラエルの海底ガスの開発が進んでいる。これらの国々に囲まれているエジプトにだけ、エネルギー資源が無いということはあり得ないだろう。』

  エジプト国民は元来明るい性格であり、イスラム原理主義などはほとんどが拒否している。最近女性のスカーフ姿も、少し減ったような気がした。スカートの丈と景気は関連すると言われたが、エジプトでもそうなのかもしれない。