今年の8月に、トルコで大統領選挙が実施される。その大統領選挙にエルドアン首相が立候補することは、ほぼ間違いなかろう。選挙に際しては、トルコ国民がエルドアン首相をどう受け止めているか、ということが当落の目安になるのだが、その目安になると思われる世論調査の結果が、最近になって発表された。
トルコにあるKONDAという、リサーチ・アンド・コンサルタントシー社が行った調査結果は、エルドアン首相に対して、トルコ国民がどう受け止めているのかを、明らかにしている。
意外だったのは、このことを報じた記事のタイトルが『58パーセントの国民はゲジ公園デモを外国の陰謀と信じている』というものだったことだ。これは報告の内容の全てを、表しているといえよう。
このKONDA社の報告の概要は次のようなものだ。
まずゲジ公園デモをどうして知ったかについては、テレビなどマスメデアを通じてといいう回答が16パーサセント、6パーセントがインターネット、5パーセントが友人からの通報というものであり、意外なことに1・2パ-セントは知らないと答えている。
警察の暴力的な対応については、デモ隊に触発されたと3分の1が答え、18パーセントがエルドアン首相の対応がデモをあおった、15パーセントが樹木を抜き取ったことが発火点になったと答えている。15パーセントはあくまでも計画はタクシム地区の開発だと回答している。
政党では与党AKPのメンバーの82パーセントが外国の陰謀と答え、野党CHPのメンバーは10パーセント、もう一つの野党MHPのメンバーの58パーセント、クルドの政党BDPの31パーセントが外国の陰謀と思っていると回答している。
しかし、デモ対応でエルドアン首相が間違いを犯さなかった、と回答したのは25パーセントでしかない。もっと穏当な解決策があったと答えたのは25パーセント、25パーセントは首相の対応を間違いだと指摘している。
デモ参加者の学歴は35パーセントが高卒、43パーセントが大卒、13パーセントが大学院以上となっている。つまりデモ参加者のほとんどが、高学歴であったということだ。
加えて、デモ参加者の内訳は50・8パーセントが女性、49・2パーセントが男性となっている。この世論調査報告を見る限り、ゲジ公園で始まった反エルドアンの動きは、必ずしも国民全体には浸透していない、ということだ。
この世論調査結果を見る限りでは、エルドアン首相の大統領当選の可能性が、高いということになりそうだ。もちろん選挙は何処の国でも、水物ではあるが。