『バンダル王子毒殺未遂か』

2014年6月 3日

 

  レバノンからとんでもない情報が、流れ出して来ている。それは、サウジアラビアの情報長官であったバンダル王子が、何者かによって得体の知れない毒薬を、注入されていたというものだ。

  このため、バンダル王子は突然倒れ、意識不明の状態に陥っていた。サウジアラビア国内で治療が不可能と分かり、モロッコの病院に担ぎ込まれ、その後、アメリカの病院で治療を受け、一命を取り留めた、ということのようだ。

  現段階ではバンダル王子に、誰が毒薬を仕掛けたかについては、全く分からないが、しかるべき理由があっての、ことだったと思われる。

  バンダル王子は情報長官時代に、シリアの内戦に関与し、膨大な資金と武器を、反アサド派に提供していた。しかし、彼の作戦は成功せず、アサド体制はいまなお続いている。

  このため、アメリカ政府内部には、バンダル王子の手腕に疑問を持つ者が増え、しかも彼のシリア対応に対して、不満が鬱積していたという情報もある。

  バンダル王子は健康上の理由からか、一旦情報長官の地位から、退かなければならなかったが、健康が回復した後、再度情報長官のポストに復帰することを、強く希望していたということのようだ。

  これは想像の域を出ないのだが、アメリカはバンダル情報長官に、アサド体制打倒を任せていた。それをサウジアラビアは資金や武器を提供することで、バンダル情報長官のシリア工作を支えていた。しかし、バンダル情報長官の工作は失敗に終わった。

  3年にも及ぶシリアの内戦を通じて、16万人を超す多くの犠牲者が、シリア国民の間から出たことと、バンダル情報長官の支援する、ジハード組織の戦闘員の残虐な行為は、世界を敵に回すものとなっていたようだ。

  アメリカはいま、ウクライナ問題や対中国問題などを抱えており、アサド体制を打倒することに、あまり関心が無くなっているのではないだろうか。そうなれば、アメリカ政府もサウジアラビア政府も、臭い物には蓋をしたくなるのではなかろうか。