『リビアで激変が起こる』

2014年5月29日

 

最後にリビア政治の主舞台に上がったのはハフタルだった。

彼は全ての権力者や集団を否定した。

イスラム・グループには死を、彼は声高にそう叫んだ。

首相には辞任を迫り、選挙は時期尚早と宣言した。

彼はリビアを自分が掌握したと思っているのだろう。

 

何やらオセロかなんかの、芝居のセリフのようだが、いまリビアで進んでいる政治劇はまさにそれだ。リビア国民軍を率いるハフタル将軍は、ベンガジのイスラム・グループのキャンプを空爆したのだ。

彼の下には、リビアの海軍、空軍、陸軍が集結していると言われているし、部族や宗教、イデオロギーなどで構成されたグループも、今では多くがハフタルの下に、集結していると言われている。

加えて、アメリカ政府は海軍艦艇をリビア沖の送り、イタリアの基地にはオスプレイを配備した、と言われている。もちろん、その理由は緊急時に在リビア・アメリカ人を、救出することが目的だ、と言われているが。

何やら、だいぶ前にカタールで起こった政変劇に、舞台装置が似てきているように思えるのだが。あの時はカタールの首長不在のなかで、皇太子が宮廷内クーデターを起こし、権力を奪取したのだ。

その時、アメリカとイギリスは海軍艦艇をカタール沖に浮かべ、外部の介入を阻止する、という明確な行動に出ていた。続いて、アメリカはカタールと犬猿の仲にあった、サウジアラビアに新首長を承認するよう、圧力をかけそうさせている。

今回、ハフタル将軍がリビアで権力を掌握した場合、どこの国が反対するだろうかは疑問だが、アメリカはもうリビアを自分の食卓に、載せてもいいと考えたのかもしれない。そのための万全の態勢を整えたのであろう。

リビアの庶民にしてみれば、実権を握るのは誰でもいい、一日でも早くカダフィ大佐のような人物が現れて、国をまとめて欲しいということではないのか。革命ゴッコはもううんざりした、というのがリビア国民の本音、というとことであろう。